1回数千円で受けられるセルフホワイトニング。歯科医院と比べると費用がかなり抑えられるため、まずここから試したいと考える方は多いものです。
ところが調べてみると「効果がない」という情報と「白くなった」という情報が両方出てきます。どちらが正しいのか判断できず、そこで止まってしまう。これはよくある状態です。
実のところ、効果があるかないかの二択ではありません。何に対して作用するかという範囲の問題です。ここでは仕組みから整理して、できることとできないことをはっきりさせます。
セルフホワイトニングの仕組み
まず、何が歯に働きかけているのかを見ておきましょう。
使われる主な成分
セルフホワイトニングで使われる薬剤には、炭酸カルシウム、重曹、酸化チタン、リンゴ酸やコハク酸といった有機酸、ポリリン酸などが含まれます。
これらに共通するのは、歯の表面に付いた汚れや着色に働きかける成分だという点です。着色を浮かせる、吸着する、落としやすくするといった方向で作用します。
光を当てるタイプの仕組み
店舗によっては、薬剤を塗ったあとにLEDライトを当てる方式がとられます。酸化チタンなどの成分に光が当たることで反応が起き、汚れの分解を促すという考え方です。
歯科医院のオフィスホワイトニングでも光を当てますが、こちらは高濃度の過酸化水素の反応を促すためのものです。見た目は似ていても、光が作用している対象が異なります。
作用するのは歯の表面
成分と仕組みを踏まえると、セルフホワイトニングが働きかけているのは歯の表面です。付着した着色を落とすことで、歯が本来の色に戻ります。
歯の内部に浸透して色素を分解する働きは、これらの成分には想定されていません。ここが評価の分かれ目になります。
「効果がない」と言われる理由
情報が割れているのは、評価している対象が人によって違うためです。
表面の着色には作用する
コーヒー、紅茶、お茶による着色が歯の表面に蓄積している場合、それを落とせば見た目は明るくなります。この範囲であれば、変化を実感する方もいます。
「白くなった」という感想の多くは、この着色が落ちたことによるものです。効果がまったくないわけではありません。
歯そのものの色は変わらない
一方で、歯そのものの色みを、もともとの色より明るくすることはできません。歯の内部にある色素を分解する処置ではないためです。
到達できるのは「自分の歯の本来の色」までです。それ以上は、成分の設計上できません。
期待とのずれが評価を分けている
ここまでを整理すると、評価が割れる理由が見えてきます。
着色を落としたかった人にとっては、目的が達成されるので「効果があった」となります。歯の色みそのものを明るくしたかった人にとっては、期待した変化が出ないので「効果がなかった」となります。
つまり同じ施術に対する評価の差は、多くの場合、施術の質ではなく目的の違いから生まれています。だから、自分の黄ばみが何によるものかを知っておくことが、判断の前提になります。原因の分け方は歯の黄ばみを取る方法で整理しています。
歯科のホワイトニングとの違いは制度にある
もうひとつ押さえておきたいのが、なぜセルフでは歯の内部に作用できないのかという点です。
| セルフホワイトニング | 歯科のホワイトニング | |
|---|---|---|
| 扱える薬剤 | 炭酸カルシウム、重曹、酸化チタン、有機酸など | 過酸化水素、過酸化尿素 |
| 作用する場所 | 歯の表面 | 歯の内部 |
| 事前の診察 | なし | あり |
| 到達点 | 本来の歯の色まで | 本来の色より明るく |
漂白作用のある薬剤は歯科医院でのみ
過酸化水素や過酸化尿素は、歯の内部の色素を分解する働きを持ちます。これらを使う行為は医療行為として位置づけられており、歯科医師の管理下でのみ扱えます。
つまり、セルフホワイトニングで内部に作用する薬剤が使われていないのは、技術や設備の問題ではなく制度上の線引きによるものです。店舗の質とは無関係の話になります。
診察があるかどうか
歯科医院では、施術の前に虫歯や歯周病の有無、歯のひび、変色の原因、詰め物の位置を確認します。これらがある状態で薬剤を使うと、しみたり炎症の原因になったりするためです。
セルフホワイトニングでは自分で機器を操作するため、この確認は行われません。使われる薬剤が穏やかであることと対応した設計だと言えます。歯科医院での違いは歯医者のホワイトニングでも整理しています。
費用と回数の目安
金額の面からも比べておきましょう。
1回あたりの費用
セルフホワイトニングは1回あたり2,000〜5,000円程度が目安です。歯科医院のオフィスホワイトニングが1回15,000〜30,000円を中心とすることを考えると、単価では大きな差があります。
継続前提であること
ただし、落とした着色はまた付いていきます。飲食を続ける以上これは避けられないため、状態を保ちたければ通い続けることになります。
1回で完結するものではなく、定期的に繰り返す前提の費用と考えるほうが実態に近くなります。
総額で比べるとどうなるか
仮に月1回のペースで1年続けると、1回3,000円なら年間36,000円です。歯科のホームホワイトニングはマウスピース作成を含めて8,000〜40,000円が目安で、その後は薬剤の追加になります。
単価では差がありますが、年単位で見ると近づくことがあります。ただし到達できる範囲が違うため、金額だけを並べて比べるものではありません。費用の全体像はホワイトニングの値段にまとめています。
費用に関する注記(自由診療について)
歯科医院で行うホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。本記事の金額はすべて一般的な相場であり、特定の医院や店舗の料金ではありません。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方には個人差があります。
自分の黄ばみが着色によるものか、歯そのものの色みによるものかは、見てもらうと判断がつきます。
セルフが向いている人・向いていない人
制度と作用範囲を踏まえると、向き不向きははっきりします。
向いている場面
黄ばみの主な原因が飲食による着色で、歯そのものの色みには不満がない場合。この条件なら、セルフホワイトニングは目的に合っています。
もうひとつは、歯科でホワイトニングを済ませたあとの維持です。明るくした状態から着色が付くのを抑える目的であれば、表面に働きかけるケアが役割を果たします。
費用を抑えて手軽に続けたい、通院の予約を取る手間を避けたいという条件とも噛み合います。
目的が合わない場面
もともとの歯の色みを明るくしたい場合は、目的と手段が合いません。何回通っても、到達点は自分の歯の本来の色までです。
加齢によって象牙質の色が濃くなっている場合、薬の影響による変色、神経を失った歯の変色も同様です。これらは歯の内部の問題なので、表面へのアプローチでは変わりません。
自分の黄ばみの原因を先に確かめる
向き不向きは、自分の黄ばみがどちらのタイプかで決まります。そしてこれは見た目だけでは判断が難しいところです。
ひとつの目安として、歯科医院でクリーニングを受けた直後に「明るくなった」とはっきり感じるなら、着色の割合が大きいと考えられます。逆にあまり変わらなかった場合は、歯そのものの色みの影響が大きい可能性があります。
原因を確かめてから手段を選べば、遠回りをせずに済みます。
自分の場合に何が必要かは、状態を見てもらうと絞り込めます。
よくある質問
何回くらいで変化が出ますか
着色の量によって変わります。表面に蓄積した着色が多いほど、落ちたときの変化は分かりやすくなります。反対に、もともと着色が少なく歯の色みが気になっている場合は、回数を重ねても変化を感じにくいことがあります。
歯が傷むことはありませんか
使われる成分は穏やかなものが中心です。ただし研磨作用のある成分を強い力で繰り返し使えば、歯の表面に細かい傷がつく可能性はあります。傷がつくと、かえって着色が付きやすくなります。使用方法の指示に従って使うことが前提になります。
歯科のホワイトニング後に使えますか
明るくした状態を保つ目的であれば、役割は噛み合います。ただし施術直後は歯の表面が敏感になっているため、時期については担当の歯科医師に確認してから使うのが確実です。
市販のホワイトニング歯磨き粉との違いは何ですか
作用する範囲という点では同じで、どちらも歯の表面の着色に働きかけるものです。使う成分や施術の形式に違いはありますが、歯の内部の色素を分解しないという点は共通しています。
まとめ
セルフホワイトニングは、炭酸カルシウムや重曹、酸化チタン、有機酸といった成分で歯の表面に付いた着色に働きかける方法です。表面の着色に対しては作用しますが、歯そのものの色を明るくすることはできません。
「効果がない」という評価の多くは、施術の質ではなく目的とのずれから生まれています。着色を落としたい人には目的が合い、歯の色みを変えたい人には合わない。それだけの違いです。
歯の内部に作用する薬剤が使えないのは制度上の線引きによるもので、店舗の設備や技術の問題ではありません。だからこそ、まず自分の黄ばみが表面の着色によるものか、歯そのものの色みによるものかを確かめることが、無駄のない選択につながります。
東京銀座有楽町矯正歯科のホワイトニング
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります



