歯に光を当てて白くする機器を見かけます。歯科医院でも使われていますし、家庭用として市販されているものもあります。
ただ、先に押さえておきたい事実があります。光そのものは、歯を白くしていません。
光の役割は、薬剤の反応を促すことです。作用しているのは薬剤の側で、光はその進み方を変えているだけです。だから、ライトを単体で持っていても何も起こりません。
ここでは、ライトが使われる3つの文脈でそれぞれ何が起きているのかを整理し、家庭用のものに何を期待できるのかまでを説明します。特定の製品には触れません。
ライトは3つの文脈で使われる
同じ「ホワイトニングライト」でも、組み合わせる薬剤によって作用する対象が変わります。
| 文脈 | 組み合わせる薬剤 | 光の役割 | 作用する場所 |
|---|---|---|---|
| 歯科医院 | 高濃度の過酸化水素 | 薬剤の分解反応を促す | 歯の内部 |
| サロン | 酸化チタンなど | 光触媒の反応を促すとされる | 歯の表面 |
| 家庭用 | 付属または市販のジェル | 同上。光の出力は抑えられている | 歯の表面 |
歯科医院で使う照射器
オフィスホワイトニングで使われる光は、高濃度の過酸化水素の分解反応を促すためのものです。
薬剤が分解する過程で生まれるフリーラジカルが、歯の内部の色素の構造を変えます。光はこの反応を速く進めるために使われています。 詳しくはオフィスホワイトニングの薬剤で整理しています。
サロンで使う機器
セルフホワイトニングのサロンでも光を当てますが、組み合わせる薬剤が違います。
使われるのは酸化チタンなど、歯の表面に付いた着色に働きかける成分です。これに光が当たることで反応が起き、汚れの分解が促されるとされています。
見た目は似ていても、光が作用している対象が違います。 月額制で通うタイプのサロンについてはエクシアのホワイトニングでも扱っています。サロンの作用範囲はセルフホワイトニングの効果にまとめています。
家庭用として市販されているもの
家庭用のLEDライトも、基本的にはサロンと同じ方向のものです。組み合わせるジェルは、歯の表面の着色に働きかける成分になります。
歯の内部の色素を分解する薬剤は、歯科医師の管理のもとでのみ扱えます。したがって、家庭用の機器と組み合わせて使われることはありません。
光そのものは歯を白くしていない
ここが本題です。
光の役割は反応を促すこと
3つの文脈すべてに共通するのは、光は触媒的な役割だという点です。薬剤の反応を促進する、あるいは光に反応する成分を活性化する。どちらにしても、色を変えているのは薬剤です。
「光を当てると白くなる」という理解は、正確ではありません。「薬剤が作用する速度を光が上げている」というのが実態です。仕組みの全体像はホワイトニングの仕組みで整理しています。
だから光を使わない方式もある
このことを裏づける事実があります。歯科医院のオフィスホワイトニングには、光を使わない方式も存在します。
反応を促す成分を薬剤側に含んでいれば、外から光を当てる必要がありません。作用しているのが薬剤である以上、光の有無は方式の違いにすぎません。
光を使うかどうかだけで優劣を判断できるものではない、ということです。
ライト単体では何も起こらない
したがって結論はこうなります。ライトだけを歯に当てても、何も起こりません。
反応する対象がなければ、光は光のままです。ライトは薬剤とセットで初めて機能します。
費用に関する注記(自由診療について)
歯科医院で行うホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方には個人差があります。
自分の黄ばみが表面の着色によるものかどうかは、見てもらうと分かります。
家庭用ライトで期待できる範囲
購入を検討している場合、判断の材料を整理します。
組み合わせるジェルで決まる
前述のとおり、作用しているのは薬剤です。したがって期待できる範囲は、付属またはあわせて使うジェルの中身で決まります。
ライトの明るさや形状ではありません。ここを取り違えると、判断を誤ります。
到達点は歯の本来の色まで
家庭用の機器と組み合わせて使えるジェルは、歯の表面に付いた着色に働きかけるものです。
したがって、着色が落ちれば歯は本来の色に近づきます。しかし、歯そのものの色みを、もともとの色より明るくすることはできません。 到達点は「自分の歯の本来の色」までです。
黄ばみの原因が加齢による象牙質の変化や、もともとの歯質にある場合、この方法では変わりません。原因の分け方は歯の黄ばみを取る方法にまとめています。
出力の違い
家庭用の機器は、安全面から光の出力が抑えられています。歯科医院で使われる機器と同じ強さではありません。
ただし、出力が上がれば作用が上がるという単純な関係でもありません。 反応する対象がなければ、強い光を当てても同じです。
使うときの注意
購入して使う場合の注意点です。
光を直視しない
青色の光を直接見るのは避けてください。保護メガネが付属している製品であれば、それを使います。
家族が近くにいる場合も、光の向きに注意してください。
長く当てても効果は上がらない
使用時間は製品の指示に従ってください。
長く当てれば白くなる、というものではありません。反応する成分が使い切られれば、そこから先は光を当てても変化しません。時間を延ばすのは、負担を増やすだけです。
熱や違和感があれば中止する
使用中に熱を感じる、歯や歯ぐきに違和感が出る。こうした場合は使用を中止してください。
しみる症状が出た場合も同様です。もともと知覚過敏がある方や、未治療の虫歯がある方は、使う前に歯科医院で状態を確認しておくほうが安全です。
何を見て選ぶか
最後に、判断の順番を整理します。
ライトの性能より、ジェルの中身
繰り返しになりますが、作用しているのは薬剤です。
比較するなら、ライトの仕様ではなく、あわせて使うジェルの成分表示を見てください。何が配合されていて、どの範囲に働きかけるものなのか。ここが実質的な判断材料になります。海外製品を取り寄せる場合の注意点は韓国のホワイトニング歯磨き粉にまとめました。
市販品の区分と作用範囲については、ホワイトニング歯磨き粉の区分で整理した3層構造の考え方が、そのまま当てはまります。
自分の黄ばみの原因を先に確かめる
そして、もっとも効くのはこちらです。
自分の黄ばみが表面の着色によるものなら、この方向のケアで変化が出ます。歯そのものの色みが原因なら、何を買っても変わりません。
原因は見た目だけでは判断が難しいところです。ひとつの目安として、歯科医院でクリーニングを受けた直後にはっきり明るくなったと感じるなら、着色の割合が大きいと考えられます。
購入する前に、ここを確かめておくと無駄がありません。
自分の場合にどの方法が合うかは、見てもらうと絞り込めます。
よくある質問
歯科医院のライトと何が違うのですか
光の出力にも違いはありますが、本質的な違いは組み合わせる薬剤です。歯科医院では歯の内部の色素を分解する高濃度の薬剤と組み合わせ、家庭用では歯の表面に働きかける成分と組み合わせます。作用する場所そのものが違います。
光を当てる時間を延ばせば白くなりますか
なりません。反応する成分が使い切られれば、そこから先は変化しません。製品の指示に従ってください。
ライトだけ持っていますが使えますか
ライト単体では作用しません。対応するジェルとあわせて使うことが前提の機器です。ジェルなしで光だけを当てても、歯に変化は起こりません。
歯科のホワイトニング後に使えますか
明るくした状態から着色が付くのを抑える目的であれば、役割は噛み合います。ただし施術直後は歯の表面が敏感になっているため、使い始める時期は担当の歯科医師に確認してください。
まとめ
ホワイトニングライトについて押さえておきたいのは、光そのものは歯を白くしていないという点です。光の役割は薬剤の反応を促すことで、色を変えているのは薬剤の側です。
その証拠に、歯科医院のオフィスホワイトニングには光を使わない方式も存在します。 光の有無は方式の違いであって、優劣ではありません。
そして、同じライトでも組み合わせる薬剤によって作用する対象が変わります。歯科医院では歯の内部の色素に、サロンや家庭用では歯の表面の着色に働きかけます。
したがって、家庭用の機器で期待できる範囲は、付属またはあわせて使うジェルの中身で決まります。 到達点は自分の歯の本来の色までです。比較するなら、ライトの仕様ではなくジェルの成分表示を見てください。
そしてライト単体では何も起こりません。 反応する対象がなければ、光は光のままです。
東京銀座有楽町矯正歯科のホワイトニング
通院の負担を抑えたい方に向けて、オンライン診療と自宅でのケアで進めるホワイトニングをご用意しています。3Dスキャンで採得した歯型からオーダーメイドのマウスピースを作成し、歯科医師の診断のもとでホワイトニング剤と知覚過敏抑制剤をお届けします。
- 診察はオンラインで完結。マウスピースをお持ちの方は来院いただく必要がありません
- 歯型に合わせたオーダーメイドのマウスピースで、薬剤を歯の隅々まで行き渡らせます
- しみる症状に備えた知覚過敏抑制剤を同梱。経過はLINEでご相談いただけます
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります



