ホワイトニングで知覚過敏になるのはなぜ?原因と対処法を中立解説

ホワイトニングを始めてしばらくすると、冷たい飲み物が歯に響くようになった。装着中は平気なのに、日常生活でしみる。これは異常なのか、続けていいのか。判断がつかないまま不安になる方は少なくありません。

先に結論を書くと、これは薬剤が作用する過程で一時的に起こるもので、歯が溶けたり弱くなったりしているわけではありません。ただし、我慢して続けてよい範囲と、相談したほうがよい状態の区別はあります。ここでは仕組みから整理して、治まるまでの目安、受診を考えるライン、対処を試す順番までをまとめます。

目次
Oh my teeth
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歯がしみる仕組み

なぜ症状が出るのかを知ると、必要以上に不安になりにくくなります。

薬剤はエナメル質を通って象牙質に届く

歯は外側のエナメル質と、その内側にある象牙質でできています。ホワイトニングで色素が蓄積しているのは主に象牙質です。

そのため、薬剤に含まれる過酸化水素はエナメル質を通過して象牙質まで届き、そこで色素を分解します。表面だけで反応させても歯の色は変わらないため、この構造は方法として必要なものです。

神経への刺激が伝わりやすくなる

象牙質には、歯の内部の神経につながる細い管が無数に通っています。薬剤が象牙質に作用している間、この管を通じた刺激の伝わり方が一時的に敏感になります。

これが、冷たいものが響いたり、じんとした感覚が出たりする理由です。神経そのものに異常が起きているのではなく、刺激が届きやすい状態が一時的に生じていると考えると理解しやすくなります。

歯が溶けたり弱くなったりしているわけではない

しみる感覚から「歯が溶けているのでは」「弱くなったのでは」と心配になる方がいます。ここは分けて考える必要があります。

ホワイトニングの薬剤は、歯を削ったり溶かしたりするものではありません。作用しているのは色素であって、歯の構造そのものではありません。症状が出ているのは刺激の伝わりやすさが変わっているためで、歯質が失われた結果ではありません。

この誤解についてはホワイトニングのデメリットでも整理しています。

症状が出やすい条件

同じ施術でも、出る人と出ない人がいます。要因は体質側と施術側の両方にあります。

体質・歯の状態による要因

エナメル質が薄いと、象牙質までの距離が短くなり刺激が伝わりやすくなります。エナメル質が薄くなる要因としては、加齢のほか、歯ぎしり、力の強いブラッシング、酸性の飲食物の摂取が挙げられます。

歯ぐきが下がって歯の根元が露出している場合も、その部分はエナメル質に覆われていないため刺激を受けやすくなります。もともと冷たいものがしみる自覚がある方は、この条件に当てはまっている可能性があります。

未治療の虫歯・歯のひび

虫歯があると、そこから薬剤が内部に届きやすくなります。歯にひびが入っている場合も同様です。

これらがある状態でホワイトニングを行うと、通常より強い症状が出ることがあります。施術前の診察でこうした点を確認するのは、このためです。

施術側の条件

見落とされやすいのが、こちらの要因です。使用する薬剤の濃度、1回あたりの装着時間、そして実施する頻度によって、症状の出方は変わります。

高濃度の薬剤を使う方法は刺激が強く、症状が出やすくなります。同じ薬剤でも、指定より長く装着すれば負担は増えます。頻度を詰めれば歯が休まる時間が減ります。

体質は変えられませんが、こちらの条件は調整できます。症状が出たときに手をつけるのは、まずこの部分です。

どのくらいで治まるか

不安の大部分は「いつまで続くのか」から来ます。

一時的なものは数時間〜2日

薬剤の作用にともなう症状であれば、施術や装着をやめてから数時間から2日程度で落ち着いていくのが一般的です。

装着した日の夜だけ響く、翌日には気にならなくなるという経過をたどることもよくあります。この範囲であれば、経過を見ながら進められます。

受診を考えるライン

一方で、次のような状態は自己判断で続けず、歯科医院に相談してください。

  • 装着をやめて3日以上たっても症状が続く
  • 何もしていないときにも痛みがある(自発痛)
  • 温かいものでも痛む
  • 特定の1本だけが強く痛む
  • 痛みで眠れない、鎮痛剤が必要な程度

これらは、ホワイトニングによる一過性の症状ではなく、虫歯やひび、歯の神経の状態など別の原因が関わっている可能性を示します。原因が違えば対処も変わるため、早めに確認したほうが結果的に短く済みます。

なお、こうした診察や処置は保険診療として扱われる場合があり、ホワイトニング自体の費用とは別になります。

費用に関する注記(自由診療について)

ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や症状の出方には個人差があります。

いまの症状が様子を見てよい範囲かどうかは、状態を伝えれば判断してもらえます。

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症状が出たときの対処

いきなり中止するのではなく、負荷を下げる順に試していきます。

まず休む・時間を短くする

最初に行うのは、1〜2日休むことです。多くの場合、これで落ち着いていきます。

再開するときは、いきなり元の時間に戻さず短めから始めます。ホームホワイトニングであれば、この調整を自分の側で行えます。頻度も、毎日から1日おきに落とすといった調整ができます。詳しい考え方はホワイトニングの頻度で整理しています。

知覚過敏用の歯磨き粉に切り替える

知覚過敏用としてつくられた歯磨き粉には、硝酸カリウム、乳酸アルミニウム、フッ素といった成分が配合されています。

硝酸カリウムは神経の興奮を抑える方向に働き、乳酸アルミニウムやフッ素は象牙質の細い管をふさぐ方向に働きます。刺激の伝わり方に対して、それぞれ別の角度からアプローチする成分です。

即効性があるものではなく、継続して使うことで効いてきます。症状が出てから使い始めるより、しみやすい自覚がある方は開始前から使っておくほうが備えになります。

歯科でのフッ素塗布

歯科医院ではフッ素の塗布を受けられます。歯質の再石灰化を促し、刺激に対する抵抗力を高める処置です。

自宅でのケアで足りない場合や、症状が続く場合の選択肢になります。ホワイトニングを進めながら並行して行うこともあります。

冷たいもの・酸性のものを控える

症状が出ている間は、冷たい飲食物を控えると負担が減ります。氷を入れた飲み物、アイスなどが該当します。

炭酸飲料や柑橘類といった酸性の強いものも、この時期は控えるほうが無難です。エナメル質が一時的に敏感な状態のときに酸が加わると、刺激を感じやすくなります。

出にくくするための準備

始める前にできることもあります。

始める前にしみやすさを伝える

冬場に冷たいものがしみる、アイスが響くといった自覚がある方は、その旨を最初に伝えてください。

伝えておけば、薬剤の濃度を抑える、装着時間を短めに設定する、知覚過敏用の薬剤を最初から用意するといった組み立てができます。症状が出てから対応するより、負担の少ない進め方になります。

虫歯・歯のひびを先に治療する

診察で虫歯やひびが見つかった場合は、先に治療します。これらがあると症状が強く出るためです。

「早く始めたいから後回しにしたい」と考えたくなる場面ですが、順番を守るほうが結果的に途中で止まらずに済みます。

低濃度・短時間から始める

しみやすい方は、低濃度の薬剤を短時間から始めて様子を見る進め方が向いています。ホームホワイトニングは装着時間を自分で加減できるため、この調整がしやすい方法です。

問題なく進められることを確認してから、時間や頻度を標準に近づけていけば、症状を出さずに目標へ向かえます。

しみやすさを踏まえた進め方は、事前に相談しておくと組み立てられます。

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よくある質問

我慢して続けても大丈夫ですか

軽い症状であれば経過を見ながら進められますが、我慢を前提にするのはすすめられません。負荷が続くと症状が強くなり、結局長く休むことになります。まず1〜2日休む、装着時間を短くするといった調整を先に行ってください。

知覚過敏用の歯磨き粉はいつから使えばいいですか

症状が出てからでも使えますが、効いてくるまでに時間がかかります。しみやすい自覚がある方は、ホワイトニングを始める1〜2週間前から使い始めておくと備えになります。

次回も同じ症状が出ますか

同じ条件で行えば出る可能性はあります。ただし濃度や装着時間、頻度を調整すれば、出方は変わります。前回どのくらいの症状が出たかを伝えておくと、次回の設定に反映してもらえます。

症状が出たら、自分には向いていないということですか

そうとは限りません。しみる症状は多くの人に起こりうるもので、条件を調整することで続けられる場合がほとんどです。ただし、調整しても強い症状が続く場合は、別の方法を検討することになります。判断は歯科医師と相談しながら行ってください。

まとめ

ホワイトニングで歯がしみるのは、薬剤がエナメル質を通って象牙質に届く過程で、神経への刺激が一時的に伝わりやすくなるためです。歯が溶けたり弱くなったりしているわけではありません。

一時的なものであれば、休んでから数時間から2日程度で落ち着きます。ただし、3日以上続く、何もしていなくても痛む、温かいものでも痛む、1本だけ強く痛むといった場合は、別の原因が関わっている可能性があるため相談してください。

対処は、休む・時間を短くする、知覚過敏用の歯磨き粉に切り替える、歯科でフッ素塗布を受ける、冷たいものを控える、の順で試します。そして、しみやすい自覚がある方は始める前に伝えておくことが、もっとも効く予防になります。


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・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります


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