このKWで調べる方には、2つの状況があります。口臭が気になっていてホワイトニングで改善しないかと考えている方と、ホワイトニングを始めてから口臭が気になるようになった方です。
結論を先に書くと、ホワイトニングは口臭を改善する処置ではありません。 薬剤が作用するのは色素であって、においの原因ではないからです。
一方、ホワイトニングを始めてから口臭が気になるようになった場合、原因として最も多いのはマウスピースの洗浄不足です。こちらは対処できます。
両方の状況について、順に整理します。
ホワイトニングは口臭を直接改善しない
まず前提から。
薬剤が作用するのは色素
ホワイトニングの薬剤は、歯の内部に蓄積した有機の色素を分解します。狙っているのは色であって、においではありません。
歯が白くなっても、においの原因がそのまま残っていれば口臭は変わりません。仕組みはホワイトニングの仕組みで整理しています。
口臭の原因は別のところにある
口臭の主な原因は、次のとおりです。
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| 舌の表面の汚れ | 舌に付着した細菌や食べかす。原因として大きい |
| 歯周病 | 歯ぐきの炎症にともなうにおい |
| 歯垢・歯石 | 細菌の塊 |
| 口の乾燥 | 唾液の自浄作用が落ちる |
| 未治療の虫歯 | 進行した状態 |
| 飲食物・喫煙 | 一時的なもの |
| 全身の状態 | 歯科以外の要因 |
このうち、ホワイトニングで対処できるものはひとつもありません。 対象がまったく別だからです。
「白い=清潔」ではない
ここは混同されやすい部分です。歯の色と、口の中の清潔さは別の指標です。
歯を白くしても、歯垢が付いていれば口臭は出ます。 見た目が整うことと、においの原因が減ることは、直接つながっていません。
間接的に関わることはある
とはいえ、まったく無関係というわけでもありません。
施術前のクリーニング
ホワイトニングの前には、歯の表面の着色や歯石を落とすクリーニングを行うのが一般的です。
この工程で歯垢や歯石が取れれば、においの原因のひとつは減ります。 ただしこれはクリーニングの効果であって、ホワイトニングそのものの効果ではありません。
口腔ケアの意識が上がる
もうひとつは、行動の変化です。
明るくした歯を保ちたいという気持ちから、色の濃い飲食のあとに口をゆすぐ、定期的にクリーニングを受ける、丁寧に磨くといった習慣が身につくことがあります。結果として口の中の状態が整うという経路です。
これも間接的なもので、施術の作用ではありません。
期待して受けるものではない
なお、ホワイトニングに使われる過酸化水素には、消毒に用いられる性質があります。
ただし、ホワイトニングは口臭の治療を目的とした処置ではありません。 濃度も使用時間も、色素の分解に合わせて設計されています。口臭の改善を期待して受けるものではない、という点は押さえておいてください。
費用に関する注記(自由診療について)
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。口臭の原因となる歯周病の検査・治療は保険診療として扱われる場合があり、ホワイトニングの費用とは別になります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方には個人差があります。
気になっているのが色なのかにおいなのかは、見てもらうと切り分けられます。
ホワイトニング後に口臭が気になったら
ここからは、もうひとつの状況です。始めてから気になるようになった場合、原因はほぼ絞れます。
| 原因 | 対処 |
|---|---|
| マウスピースの洗浄不足 | 毎回洗って乾かす |
| 装着中の口の乾燥 | 時間帯の見直し、外したあとの水分 |
| 薬剤のにおい | 時間で消える |
マウスピースの洗浄不足
もっとも多い原因がこれです。
マウスピースは口の中に数時間装着するものです。使用後に洗わない、あるいは洗っても乾かさずにケースへ入れると、細菌が繁殖しやすい状態になります。
対処は単純です。使用後は毎回、水かぬるま湯で洗い、水気を切ってから保管してください。 熱いお湯は変形の原因になるので使いません。専用の洗浄剤を併用する方法もあります。マウスピースを長く使い続ける場合の注意点はホームホワイトニングは薬剤のみ買える?にまとめました。
長く使ううちに白く濁ってきた、においが取れなくなったという場合は、素材の劣化が進んでいる可能性があります。この場合は作り直しを含めて相談してください。マウスピースの管理についてはホームホワイトニングの注意事項にまとめています。
装着中の口の乾燥
マウスピースを装着していると、口を閉じにくくなり、口呼吸になりやすくなります。
口の中が乾くと、唾液による自浄作用が落ちます。 唾液は細菌を洗い流し、においを抑える働きを持っているため、乾いた状態が続くとにおいが出やすくなります。
対処としては、装着する時間帯を見直す、外したあとに水分をとる、口を閉じて過ごすことを意識するといった方法があります。
薬剤のにおい
使用している薬剤そのものに、独特のにおいを感じることがあります。
これは一時的なもので、外して口をゆすげば薄れていきます。使い続けるうちに気にならなくなることも多いものです。
口臭が主な悩みなら順番が違う
最後に、口臭のほうが本題だという方へ。
まず歯周病の検査を
口臭の原因として大きいのが歯周病です。そして、歯周病の検査と治療には保険が適用されます。
ホワイトニングに費用をかける前に、こちらを先に受けるほうが、口臭という目的に対しては直接的です。歯石や歯垢を落とせば、においの原因が減ります。
制度上の区分についてはホワイトニングに保険は使える?で整理しています。
舌の清掃
見落とされやすいのが舌です。舌の表面に付着した汚れは、口臭の原因として無視できません。
ただし、強くこすると舌の表面を傷めます。 専用の器具を使い、力を入れずに奥から手前へ動かすのが基本です。やり方は歯科医院で教えてもらえます。
保険で対応できる範囲
歯周病の検査・治療、虫歯の治療、その一環としての歯石や着色の除去。これらは保険の範囲です。
口臭が主な悩みであれば、まずこの範囲で対応できることを済ませてください。 そのうえで、見た目の色が気になるならホワイトニングを検討する、という順番になります。
費用の考え方はホワイトニングを安く抑えるにはでも整理していますが、目的に合った手段を選ぶことが、結果的にいちばん費用を抑えます。
いま気になっていることに何が効くかは、相談すると整理できます。
よくある質問
ホワイトニング中に口が乾きます
マウスピースを装着していると口呼吸になりやすく、乾燥しやすくなります。装着する時間帯を見直す、外したあとに水分をとるといった対応で和らぎます。乾燥が強い場合は、装着時間そのものについて相談してください。
マウスピースのにおいが取れません
まず洗浄方法を見直してください。毎回、水かぬるま湯で洗い、水気を切って保管します。専用の洗浄剤を使う方法もあります。それでも取れない場合や、白く濁ってきている場合は、素材が劣化している可能性があるため作り直しを検討することになります。
施術後しばらく味覚が変わった気がします
薬剤の味やにおいが残っている、あるいは口の中が乾いていることによる一時的な感覚であることが多くなります。通常は時間とともに戻ります。長く続く場合は相談してください。
歯を白くすれば口臭も減ると聞きました
直接の関係はありません。ホワイトニングの薬剤は色素に作用するもので、においの原因に働きかけるものではないためです。ただし、施術前に行うクリーニングで歯垢や歯石が落ちれば、その分は減ります。これはクリーニングの効果です。
まとめ
ホワイトニングは口臭を改善する処置ではありません。薬剤が作用するのは色素であって、においの原因ではないためです。歯を白くしても、歯垢が付いていれば口臭は出ます。
間接的に関わることはあります。施術前のクリーニングで歯垢や歯石が落ちること、そして口腔ケアの意識が上がること。ただしどちらも施術そのものの作用ではなく、期待して受けるものではありません。
一方、ホワイトニングを始めてから口臭が気になるようになった場合、最も多い原因はマウスピースの洗浄不足です。使用後は毎回、水かぬるま湯で洗い、水気を切って保管してください。装着中の口の乾燥も要因になります。
そして、口臭のほうが本題であれば、順番が違います。歯周病の検査と治療には保険が適用されます。 舌の清掃とあわせて、まずこの範囲で対応できることを済ませてください。目的に合った手段を選ぶことが、結果的に費用も抑えます。
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります



