テトラサイクリン歯はホワイトニングで白くなる?程度別の見通しを中立解説

ホワイトニングの記事を読んでいると、「薬の影響による変色は改善に限りがあります」という一文によく出会います。自分がそれに当てはまるらしいと分かったとき、知りたいのはその「限り」が自分の場合どこにあるのかだと思います。

テトラサイクリン歯の場合、見通しは変色の程度によって大きく変わります。 軽度であればホワイトニングで改善が期待でき、重度になるとホワイトニング単独では難しくなります。

ここでは一般に用いられる4段階の分類にそって、それぞれ何が期待できるのかを整理します。あわせて、この症例では通常とは進め方が変わるという点と、削る処置に進む前に考えておきたい順番も説明します。

目次
Oh my teeth
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テトラサイクリンによる変色とは

まず、何が起きているのかを押さえます。

歯が作られる時期の服用で起こる

テトラサイクリン系の抗菌薬を、歯が作られる時期に服用した場合に生じます。胎児期から、おおむね8歳ごろまでが該当します。

日本では1960年代から70年代にかけて小児への処方が多く行われていました。現在は歯への影響が知られており、この年代の子どもへの処方は原則として避けられています。

服用した本人にも保護者にも、責任のある話ではありません。 当時の医療水準のなかで行われた処方によるものです。

色素が象牙質そのものに取り込まれている

ここが、通常の黄ばみと決定的に違う点です。

飲食物による着色は、歯の表面に付着したものです。加齢による変色は、象牙質の色みが濃くなったものです。

これに対してテトラサイクリンによる変色は、歯が作られる過程で色素が象牙質の構造そのものに取り込まれた状態です。あとから付いたものではなく、歯の一部になっています。

だから、表面を落としても変わりません。ホワイトニングの薬剤は歯の内部の色素を分解しますが、取り込まれた色素に対しては作用が届きにくくなります。仕組みはホワイトニングの仕組みで整理しています。

左右対称に出るのが特徴

見分ける手がかりがあります。この変色は、左右対称に現れます。

同じ時期に作られた歯が同じ影響を受けるためです。服用していた時期に作られていた部分に色が出るので、上下左右の対応する歯に同じように現れます。

程度が強い場合は、横方向の帯状の縞模様が見られます。これも、服用の時期と歯が作られた層が対応しているためです。

程度によって見通しが変わる

ここが本題です。一般に4段階に分けて考えます。

段階見た目ホワイトニングの見通し
第1度(軽度)全体がうっすら黄色〜灰色。色は均一改善が期待できる
第2度(中等度)黄色や灰色がやや濃い。比較的均一改善が期待できる。回数と期間はかかる
第3度(重度)濃い灰色〜青みがかった灰色。横縞が出る十分な効果が出ないことが多い
第4度(強度)着色が濃く、縞模様がはっきり出ているホワイトニング単独では難しい

分かれ目は縞模様の有無

見通しを分ける最大の要素が、横方向の縞模様があるかどうかです。

縞がなく色が均一であれば、第1度か第2度です。この範囲であれば、ホワイトニングで明るくできる見込みがあります。

縞がはっきり出ている場合は第3度以上で、ホワイトニング単独では期待した結果に届かないことが多くなります。

色みが黄色系か灰色系か

もうひとつの手がかりが色みです。

黄色系の変色は、薬剤に反応しやすい傾向があります。一方、灰色系や青みがかった色は反応しにくく、改善の程度が限られます。

自分の歯を鏡で見て、黄色っぽいのか灰色っぽいのか。ここは自分でもある程度見当がつきます。

自分の段階は診察で分かる

とはいえ、正確な判定は診察を受けたほうが確実です。照明や角度によって見え方が変わりますし、変色の原因がテトラサイクリンによるものかどうかも確認が要ります。

見通しが立たないまま始めるのが、この症例ではもっとも避けたいことです。期間も費用もかかるためです。

費用に関する注記(自由診療について)

ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。テトラサイクリンによる変色では、通常より長い期間を要すること、改善の程度に限りがあること、縞模様が残る場合があることが挙げられます。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や到達できる範囲には個人差があります。

自分の変色がどの段階に当たるかは、見てもらうと分かります。

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進め方が通常と違う

改善が見込める段階であっても、進め方は通常のホワイトニングとは変わります。

ホームの長期継続が向く

通常であれば「早く変化を出したいならオフィス」という選び方になります。ところがこの症例では、ホームホワイトニングを長期間続けるほうが向くとされています。

理由は、色素が象牙質の深いところに取り込まれているためです。高濃度の薬剤を短時間作用させるより、低濃度の薬剤を長時間・長期間かけて作用させるほうが、深部に届きやすいと考えられています。

通常の方法選択が逆転するという点は、押さえておく価値があります。ホームの進め方はホームホワイトニングにまとめています。

期間は月単位になる

通常のホームホワイトニングは1〜3ヶ月で目標に届くのが目安です。テトラサイクリンによる変色の場合、これより長くかかることがあります。

途中で「変わっていない」と感じる期間も長くなります。だから、始める前に見通しを共有しておくことが特に重要になります。

縞は残りやすい

全体が明るくなっても、縞模様そのものは残ることがあります。

むしろ、周囲が明るくなることで縞のコントラストが上がり、目立ち方が変わる場合もあります。この可能性は、始める前に理解しておいてください。

届かない場合の選択肢

ホワイトニングで満足できる結果に届かない場合の手段も整理しておきます。

ラミネートベニア

歯の表面を薄く削り、板状のセラミックを貼り付ける方法です。色を直接指定できるため、変色の程度にかかわらず見た目を変えられます。

ただし、歯を削るため元には戻せません。

被せ物

変色に加えて歯の形も変えたい場合や、削る量が多くなる場合は、被せ物という選択肢になります。こちらも歯を削る処置です。

削る前にホワイトニングを試す意味

ここが順番の話です。

ラミネートベニアも被せ物も、一度行えば元に戻せません。一方、ホワイトニングは歯を削らない処置です。

したがって、まずホワイトニングを試して到達点を確かめてから、削る処置を検討するという順番のほうが、選択肢を残せます。

思ったより改善すれば、削らずに済みます。届かなければ、そこから次の手段に進めばよく、試したことが無駄になるわけではありません。逆の順番は取れないという点が、この判断の根拠です。

始める前に決めておくこと

見通しの共有が特に重要な症例なので、3点挙げます。

目標をどこに置くか

「真っ白にする」ではなく、現実的な到達点を設定してください。

シェードガイドで現在の段階を確認し、どのあたりまでを目指すのかを決めます。段階の考え方はホワイトニングのレベルで整理しています。

どこで判断するか

期間が長くなる分、「いつまで続けて、どこで判断するか」を先に決めておくことが効きます。

3ヶ月続けて記録上の変化を確認する、といった区切りを設定しておけば、際限なく続けることを避けられます。

記録を取る

変化が緩やかなので、記録がないと判断できません。

開始前のシェードと、同じ条件で撮った写真。この2つを起点にしてください。記録の取り方はホームホワイトニングで白くならないにまとめています。

自分の場合の見通しは、診てもらうと具体的になります。

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よくある質問

自分がテトラサイクリン歯かどうかはどう分かりますか

手がかりは、左右対称に現れていること、横方向の縞模様があること、そして子どものころに抗菌薬を服用した記憶や記録があることです。ただし確定的な判断は診察で行われます。加齢による変色や、エナメル質の質による変色と見分ける必要があるためです。

何回くらいで変化が出ますか

程度によりますが、通常のホワイトニングより時間がかかります。数週間で明確な変化が出ることは期待しにくく、月単位で見ていくことになります。だからこそ、記録を取って比べることが重要になります。

子どもに遺伝しますか

遺伝しません。テトラサイクリンによる変色は、本人が歯の形成期に服用したことで生じるものです。体質として受け継がれるものではありません。

白くなっても縞は残りますか

残ることがあります。全体の明るさは上がっても、縞の部分と周囲の差は縮まりにくいためです。周囲が明るくなることで、かえって縞が目立つ場合もあります。縞をなくすことが目的であれば、ホワイトニング以外の手段を検討することになります。

まとめ

テトラサイクリンによる変色は、歯が作られる時期に服用した薬剤の色素が、象牙質の構造そのものに取り込まれた状態です。表面の着色や加齢による変色とは、性質が異なります。

見通しは程度によって大きく変わります。分かれ目は横方向の縞模様の有無です。縞がなく色が均一な第1度・第2度であれば改善が期待でき、縞がはっきり出ている第3度・第4度ではホワイトニング単独では難しくなります。色みも手がかりで、黄色系は反応しやすく、灰色系や青系は反応しにくくなります。

進め方も通常とは変わります。高濃度で短時間ではなく、低濃度のホームホワイトニングを長期間続けるほうが向くとされ、期間は月単位になります。全体が明るくなっても縞は残りやすい点も、事前に押さえておいてください。

届かない場合はラミネートベニアや被せ物という選択肢がありますが、いずれも歯を削るため元に戻せません。だから、削らないホワイトニングを先に試して到達点を確かめるという順番のほうが、選択肢を残せます。 逆の順番は取れません。


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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります


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