毎日きちんと装着しているのに、鏡を見ても変わった気がしない。費用も時間もかけているだけに、焦りが出てきます。
ただ、この段階で「効かなかった」と結論を出すのは早いかもしれません。まず確かめたいのは、本当に変わっていないのか、それとも変化に気づけていないだけなのかという点です。
そのうえで、原因は「自分で直せるもの」と「自分では直せないもの」に分かれます。前者は6つ、後者は5つ。ここでは確認する順番も含めて整理します。
まず「本当に変わっていないのか」を確かめる
順番として、これが最初に来ます。
変化に気づき始めるのは2週間前後
ホームホワイトニングは、低濃度の薬剤をゆっくり作用させる方法です。オフィスのように1回で見た目が変わるものではありません。
変化を感じ始めるのが2週間前後、目標の白さに届くまでが1〜3ヶ月というのが一般的な目安です。期間ごとの変化の出方はホームホワイトニングの効果で整理しています。開始から1週間や10日の段階で変化がないのは、想定どおりの経過です。
毎日見ていると差分は分からない
これがもっとも起こりやすい状態です。少しずつの変化は、毎日鏡を見ている本人がいちばん気づきにくくなります。
家族や周囲の人に「白くなった」と言われたのに自分では分からない、という話はよくあります。逆に、自分では変わったつもりでも記録がないと確認できません。
記録の取り方
判断するには比較対象が要ります。次の2つが使えます。
ひとつは写真です。開始前と現在を、同じ照明・同じ角度・同じ時間帯で撮って並べます。窓際の自然光か、洗面所の照明のどちらかに固定してください。条件が違うと比べられません。
もうひとつはシェードガイドです。歯科医院で使う色見本で、開始前の段階を記録しておけば、いま何段階動いたかが数字で分かります。手元にない場合は、次の受診時に確認してもらえます。
記録がないまま「変わらない」と判断するのは避けたいところです。 ここが確認できて初めて、原因を探す段階に入ります。
自分で直せる6つの原因
記録で見ても変化がない場合、まず運用の側を見ます。ここは自分で修正できる範囲です。
装着時間が足りていない
指定された装着時間に届いていない場合、作用する時間そのものが不足します。
多いのは、時間が足りていないというより日数が飛んでいるケースです。週に3日しか装着できていない状態が続けば、目標到達までの期間は倍以上に延びます。
途中で数日空くこと自体は問題ありません。ただ、それが常態化しているなら、生活のどこに置くかを見直すほうが早く解決します。
ジェルの量が合っていない
少なすぎると、歯の表面全体に薬剤が行き渡りません。マウスピースの内側で薬剤が触れていない部分は、当然ながら変化しません。
一方、多すぎても効果は上がりません。あふれた分は歯ぐき側に流れ、刺激の原因になるだけです。適量は1本あたり米粒1粒程度で、手順はホームホワイトニングのやり方にまとめています。
装着前に歯を磨いていない
見落とされやすいのがこれです。歯の表面にプラークや食べかすが残っていると、薬剤が歯面に直接触れられません。
薬剤は歯に接触して初めて作用します。 間に何かが挟まっていれば、その部分の反応は弱くなります。装着前のブラッシングは、手順のなかでも効き目の大きい一手です。
マウスピースが浮いている
装着したときに浮いている部分があると、そこには薬剤が密着しません。
鏡で確認してみましょう。特定の歯だけ変化が乏しい場合、この可能性が高くなります。作製後に変形した場合も同じことが起こります。熱いお湯で洗った、高温になる場所に置いたといった心当たりがあれば、適合を見てもらいましょう。
ジェルが劣化している
薬剤は温度と時間の影響を受けます。高温になる場所に置いていた、使用期限を過ぎている。こうした場合、分解が進んで作用が落ちていることがあります。
保管方法は歯科医院の指示に従います。夏場の車内や直射日光の当たる場所は避けます。薬剤の性質はホームホワイトニングのジェルで整理しています。
装着後すぐに色の濃いものを口にしている
装着直後は、歯の表面を覆う膜が一時的に失われた状態です。この時間帯に色の濃い飲食物を摂ると、せっかく明るくした分に着色が乗ってしまいます。
白くしながら着色させている、という状態です。装着後1〜2時間の飲食を見直すだけで、進み方が変わることがあります。
費用に関する注記(自由診療について)
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容はマウスピースと薬剤を用いた歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。
運用を見直しても変わらない場合は、歯の側に理由があります。
自分では直せない5つの原因
こちらは、やり方を変えても解決しません。確認が必要な領域です。
表面の着色が厚く、薬剤が届いていない
あまり語られませんが、実際に起こります。
歯の表面に着色が層になって付いていると、薬剤が歯面に直接触れられません。前述の「装着前に磨いていない」と同じ理屈が、日々のブラッシングでは落とせないレベルで起きている状態です。
この場合、先に歯科医院でクリーニングを受けて表面を整えてから進めると、そこから急に変化が出ることがあります。長く着色を落としていない自覚があるなら、まずここを疑ってみてください。
詰め物・被せ物である
セラミック、レジン、金属といった人工物の色は、薬剤では変わりません。分解する対象となる色素がないためです。
前歯に詰め物がある場合、周りの歯だけが明るくなり、その部分だけ取り残されます。これは「白くならない」ではなく「白くならない部位である」ということです。
神経を失った歯である
歯の神経を取る処置を受けた歯は、時間とともに内側から暗く変色していきます。
この場合、変色の原因が歯の内部にあるため、外側から作用させる方法では届きにくくなります。歯の内側に薬剤を入れて漂白する別の手法が用いられるのは、この構造の違いによるものです。
薬の影響による変色である
抗菌薬の一種を、歯が作られる時期に服用していた場合、色素が象牙質そのものに取り込まれた状態になることがあります。
この場合も変化はしますが、改善の程度には限りが出ます。回数を重ねても狙った白さに届かないことがあり、程度によって見通しが変わります。
もともとの歯質による上限
エナメル質の厚みや象牙質の色は人によって違い、到達できる範囲にも個人差があります。
変色の原因の分け方は歯の黄ばみを取る方法、白くなる仕組みそのものはホワイトニングの仕組みで整理しています。
切り分けの手順
上から順に確認していきます。上のものほど、自分で確かめられて、かつ影響が大きい項目です。
| 順番 | 確認すること | 該当したときの対処 |
|---|---|---|
| 1 | 開始からどのくらい経ったか | 2週間未満なら、まだ判断の段階ではない |
| 2 | 開始前の記録があるか | なければ、いまの状態を記録して比較の起点にする |
| 3 | 装着した日数と時間 | 飛んでいるなら、置く時間帯を見直す |
| 4 | 装着前に磨いているか | 磨いていないなら、手順に加える |
| 5 | ジェルの量、マウスピースの適合 | 浮いている・変形しているなら受診 |
| 6 | 装着後の飲食 | 色の濃いものを摂っているなら時間をずらす |
| 7 | 長く着色を落としていないか | 心当たりがあれば、先にクリーニングを検討 |
| 8 | 変わらない部位が人工物・失活歯か | 該当するなら別の手段の検討へ |
1から6までを見直しても変化がないなら、7と8の可能性が高くなります。ここからは診察が必要です。
それでも変わらないときの選択肢
原因が特定できたあとの手も整理しておきます。
オフィスを足す
高濃度の薬剤を使うオフィスホワイトニングを組み合わせると、変化の出方が変わることがあります。ホームで進めながら要所でオフィスを入れる組み方はデュアルホワイトニングにまとめています。
濃度や装着時間を見直す
処方されている薬剤の濃度を変えられる場合があります。ただし、自己判断で装着時間を延ばすのは避けましょう。 しみる症状が出て中断につながり、かえって遅れます。
濃度と時間はセットで設計されているため、変えるなら歯科医師の判断のもとで行います。
別の手段に切り替える
人工物や神経を失った歯が原因の場合、ホワイトニングでは解決しません。人工物なら色を合わせて作り直す、失活歯なら内側から漂白する方法があります。
いずれも診察のうえでの判断になります。続けるかどうかを含めて、いちど状態を見てもらうのが確実です。
いま起きていることの原因は、見てもらうと切り分けられます。
よくある質問
どのくらい続けて変化がなければ相談すべきですか
指示どおりに続けて1ヶ月経っても記録上まったく変化がない場合は、いちど相談しましょう。それより早い段階でも、装着中に強くしみる、歯ぐきに痛みがあるといった症状があれば、期間にかかわらず受診してください。
装着時間を延ばせば早くなりますか
なりません。濃度と時間はセットで設計されているため、時間だけを延ばすと症状が出やすくなります。症状が出れば休むことになり、結果として目標到達は遅れます。
前歯は白くなったのに奥歯が変わりません
奥歯は歯の厚みがあり、変化が見えにくい部位です。また、マウスピースの奥側が浮いていて薬剤が密着していない可能性もあります。適合を確認してもらうと判断がつきます。詰め物が入っている場合は、その部分は変わりません。
1本だけ色が濃いままです
特定の1本だけ取り残される場合、その歯が神経を失っている、大きな詰め物が入っている、あるいはマウスピースのその部分が浮いている、といった理由が考えられます。いずれも見てもらえば判別できます。
まとめ
ホームホワイトニングで変化がないと感じたら、順番に確認していきます。
最初に確かめるのは、本当に変わっていないのかという点です。変化を感じ始めるのは2週間前後で、それより早い段階なら想定どおりの経過です。そして記録がなければ判断できません。 同じ条件で撮った写真か、シェードガイドでの記録を起点にしてください。
次に運用側です。装着日数、ジェルの量、装着前のブラッシング、マウスピースの適合、ジェルの保管、装着後の飲食。この6つは自分で直せます。
それでも変わらない場合は、歯の側に理由があります。表面の着色が厚くて薬剤が届いていない、人工物である、神経を失った歯である、薬の影響による変色である、もともとの歯質による上限。このうち「表面の着色」は見落とされやすく、先にクリーニングを受けるだけで進み方が変わることがあります。
なお、装着時間を自己判断で延ばすのは逆効果です。症状が出て中断すれば、結果的に遠回りになります。
東京銀座有楽町矯正歯科のホワイトニング
通院の負担を抑えたい方に向けて、オンライン診療と自宅でのケアで進めるホワイトニングをご用意しています。3Dスキャンで採得した歯型からオーダーメイドのマウスピースを作成し、歯科医師の診断のもとでホワイトニング剤と知覚過敏抑制剤をお届けします。
- 診察はオンラインで完結。マウスピースをお持ちの方は来院いただく必要がありません
- 歯型に合わせたオーダーメイドのマウスピースで、薬剤を歯の隅々まで行き渡らせます
- しみる症状に備えた知覚過敏抑制剤を同梱。経過はLINEでご相談いただけます
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります



