動画やSNSで見かけて気になった。日本では見ない製品だし、効きそうに見える。そう思って調べている方に向けた記事です。
先に押さえておきたいことが1つあります。歯磨き粉は、国によって配合できる成分の規制が違います。 化粧品の感覚で「海外のほうが強い成分が入っていそう」と考えると、実は当たっている部分と、そうでない部分があります。
そして、どこで買うかによっても話が変わります。国内で正規に流通しているものと、海外通販で取り寄せるものでは、適用される規制が別です。
ここでは入手経路の違いから整理し、制度の差、そして期待できる範囲までをまとめます。特定の商品名や、製品どうしの優劣には踏み込みません。
入手経路によって話が変わる
まず、ここを分けます。
| 経路 | 成分表示 | 日本の規制 |
|---|---|---|
| 国内で正規に流通しているもの | 日本語表示あり | 対象。届出や承認を経ている |
| 国内の店舗・通販で買う並行輸入品 | 日本語表示があるものとないものがある | 販売者に表示の義務がかかる |
| 海外通販で個人が取り寄せるもの | 現地の言語のみ | 日本の表示規制の対象外 |
国内で正規に流通しているもの
日本国内で販売するには、化粧品または医薬部外品として、日本の制度にそった手続きを経る必要があります。
このとき、日本で歯磨剤への配合が認められていない成分は使えません。つまり、国内で正規に流通している韓国製品は、日本の基準を満たしたものということになります。
海外通販・個人輸入で買うもの
一方、海外のサイトから直接取り寄せる場合、その製品は現地の基準で作られたものです。日本の制度を通っていません。
自分で使う目的に限れば一定の範囲で認められていますが、日本の表示規制はかかりません。
見分け方は日本語の成分表示
実用的な判定方法は単純です。パッケージに日本語の成分表示があるかどうかを見てください。
日本語の全成分表示がついていれば、日本の制度にそって流通しているものです。現地語だけであれば、日本の規制を通っていないと考えてください。
国によって配合できる成分が違う
ここが本題です。
日本の歯磨剤に配合されないもの
日本では、歯の内部の色素を分解する薬剤(過酸化水素や過酸化尿素)を市販の歯磨剤に配合することは想定されていません。
これらを扱う行為は医療行為として位置づけられており、歯科医師の管理のもとでのみ行えます。だから日本の市販品でできるのは、歯の表面に付いた着色を落とすところまでです。この線引きはホワイトニングの仕組みで整理しています。
海外には過酸化水素を含む製品がある
一方、国によっては、低濃度の過酸化水素を配合した歯磨剤や貼付タイプの製品が一般向けに販売されています。
この違いが、「海外製のほうが白くなる」という話の実体です。イメージや品質の問題ではなく、制度の違いによるものです。
ただし、低濃度であっても薬剤であることに変わりはありません。歯ぐきに触れれば刺激になりますし、しみる症状が出ることもあります。歯科医院では診察をしたうえで、歯ぐきを保護して使いますが、自分で使う場合その工程がありません。
「同じホワイトニング歯磨き粉」ではない
まとめると、こうなります。
日本の店頭に並ぶ製品と、海外通販で届く製品は、同じカテゴリの名前で呼ばれていても中身の前提が違うことがあります。 日本の常識で読むと、期待も注意点もずれます。
費用に関する注記(自由診療について)
歯科医院で行うホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は薬剤による歯の漂白で、費用は歯科医院や方法によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方には個人差があります。
自分の黄ばみが市販品で対応できる範囲かどうかは、見てもらうと分かります。
個人輸入で気をつけること
海外通販で取り寄せる場合に、知っておきたい点を挙げます。
成分を自分で確認できない
現地語の表示だけでは、何が入っているかを正確に読み取るのは難しくなります。
翻訳アプリで読める部分もありますが、成分名は国によって表記が異なることがあり、正確に対応させるのは簡単ではありません。自分が何を口に入れているか分からない状態になりやすい、という点は押さえておいてください。
公的な救済の対象外
あまり知られていない点です。
国内で正規に流通している医薬部外品などについては、健康被害が生じた場合の公的な救済の仕組みが用意されています。しかし、個人輸入した製品による健康被害は、原則としてその対象外です。
何かあったときに、自分で対応することになります。これは価格差では測れないリスクです。
人に譲れない
個人輸入は、自分で使う目的に限って認められているものです。
家族や友人に譲ったり、フリマアプリなどで売ったりすることはできません。 「よかったから分けてあげる」ができない、という点は覚えておいてください。
期待できる範囲は変わらない
制度の違いを踏まえたうえで、実際に何が起こるのかを整理します。
表面の着色までは同じ
歯の表面に付いたコーヒーや紅茶による着色を落とす。この範囲であれば、国産でも海外製でも作用します。
しばらく着色を落としていなかった場合、変化を感じやすくなります。これが「白くなった」という感想の中身であることが多くなります。
歯の内部の色みは変わらない
一方、歯そのものの色みを、もともとの色より明るくすることは、市販の歯磨剤では想定されていません。
低濃度の過酸化水素を含む製品であっても、歯科医院で使う薬剤とは濃度も使用条件も違います。到達できるのは自分の歯の本来の色までと考えておくほうが、期待とずれません。
自分の黄ばみが表面の着色によるものか、歯そのものの色みによるものか。この切り分けは歯の黄ばみを取る方法にまとめています。
研磨剤と磨き方
着色を落とすタイプの製品には、研磨作用のある成分が含まれます。
強い力で長時間磨くと、歯の表面に細かい傷がつきかねません。 傷がつくと、かえって着色が付きやすくなります。力を入れず、時間をかけて磨いてください。
国内で選ぶなら何を見るか
正規に流通している製品から選ぶ場合の確認点です。
区分の表示
化粧品か医薬部外品かで、認められている効能の範囲が違います。
化粧品は「ブラッシングによって歯の表面の汚れや着色を落とす」範囲、医薬部外品は承認された有効成分の作用が加わります。ただしどちらも作用するのは歯の表面です。この3層構造はマービスの歯磨き粉で詳しく整理しています。
成分表示
日本語の全成分表示があれば、何が入っているかを確認できます。
着色を落とす目的の成分、フッ素の有無、研磨作用のある成分。この3つを見ておくと、自分の目的に合うかどうかが判断できます。
使い方
どの製品でも、表示された使用方法の範囲で使ってください。
「たくさん付ければ早く白くなる」「長く磨けば効く」というものではありません。むしろ表面を傷める方向に働きます。
市販品で足りるのか、歯科の方法が必要なのかは、原因を見てもらうと判断できます。
よくある質問
韓国旅行で買ってきたものは使えますか
自分で使う目的であれば、一定の範囲で持ち帰ることができます。ただし現地の基準で作られた製品なので、成分表示を確認できないまま使うことになります。しみる、歯ぐきがヒリヒリするといった症状が出たら、使用を中止して歯科医院に相談してください。
家族に分けてもいいですか
個人輸入や海外での購入は、自分で使う目的に限って認められているものです。他人に譲ったり販売したりすることはできません。
過酸化水素が入っていれば白くなりますか
歯の内部の色素に作用する成分ではありますが、市販品に含まれる濃度と、歯科医院で使う薬剤の濃度は大きく異なります。また歯科医院では歯ぐきを保護し、口の中の状態を確認したうえで使います。自分で使う場合、その条件が揃いません。効果と負担の両方を、歯科での施術と同じには考えられません。
日本製と韓国製で効果は違いますか
国内で正規に流通している製品どうしであれば、どちらも日本の基準の範囲内です。作用する場所は歯の表面で、この点に違いはありません。差が出るとすれば、配合されている成分の種類や研磨作用の程度によるもので、国による優劣ではありません。
まとめ
韓国のホワイトニング歯磨き粉について考えるときは、まず入手経路を分けてください。 国内で正規に流通しているものは日本の基準を満たしています。海外通販で取り寄せるものは、現地の基準で作られたもので、日本の表示規制の対象外です。見分け方は、日本語の成分表示があるかどうかです。
制度の違いは実際にあります。日本では市販の歯磨剤に歯の内部を漂白する薬剤は配合されませんが、国によっては低濃度の過酸化水素を含む製品が一般向けに販売されています。 「海外のほうが白くなる」という話の実体はここにあり、品質の差ではありません。
ただし個人輸入には固有のリスクがあります。成分を自分で確認できないこと、健康被害が生じた場合の公的な救済の対象外であること、そして人に譲れないこと。この3つは価格差では測れません。
そして期待できる範囲は、結局のところ表面の着色までです。歯そのものの色みを明るくしたいのであれば、市販品では届きません。まず自分の黄ばみがどちらのタイプかを確かめることが、遠回りを避ける出発点になります。
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります



