注意事項をテーマごとに並べられても、実際に使う場面では思い出せません。「装着する直前に何を確認するのか」「外したあと何に気をつけるのか」という形で持っておくほうが、抜けが出にくくなります。
そこでここでは、時系列に沿って整理します。始める前、装着する前、装着している間、外したあと、そして期間を通して。この5つの時点ごとにまとめました。
最後に「やってはいけない8つ」を一覧にしています。手順の詳細はホームホワイトニングのやり方にありますので、本記事は確認用としてお使いください。
なお、歯科医院から個別の指示を受けている場合は、そちらが優先です。
全体像:5つの時点
| 時点 | 頻度 | 主な注意事項 |
|---|---|---|
| 始める前 | 1回だけ | 治療の完了、詰め物の位置、しみやすさの申告、今後の予定 |
| 装着する前 | 毎回 | 歯を磨く、ジェルの量、マウスピースの状態 |
| 装着している間 | 毎回 | 飲食しない、はみ出しを拭く、時間を守る |
| 外したあと | 毎回 | 洗浄と保管、1〜2時間の飲食、記録 |
| 期間を通して | 常時 | 症状の監視、受診の判断 |
始める前に確認すること
ここは最初の1回だけですが、後の期間すべてに影響します。
虫歯・歯周病の治療を先に済ませる
穴のあいた歯に薬剤が触れると、薬剤が象牙質に直接届いて強い痛みが出ることがあります。歯ぐきに炎症がある状態も同様です。
治療が先、ホワイトニングが後。 この順番を飛ばすと、途中で中断することになります。
詰め物・被せ物の位置を確認する
人工物は薬剤で色が変わりません。前歯など目立つ位置にある場合、周りだけが明るくなって色が浮きます。
目立つ位置に人工物があるなら、ホワイトニングを終えてから色を合わせて作り直すという順番になります。始める前に、どこに何が入っているかを確認しておきます。
しみやすさを申告する
冷たいものがしみる自覚があるなら、開始前に伝えます。
濃度を抑える、装着時間を短めに設定する、知覚過敏抑制剤を用意するといった調整を、始める前から組み込めます。 症状が出てから対応するより負担が少なくなります。
今後の治療・矯正の予定を伝える
見落とされやすい項目です。マウスピースは自分の歯型に合わせて作るため、歯並びが変わると使えなくなります。
矯正治療の予定がある、親知らずを抜く予定がある、詰め物を入れ替える予定がある。こうした場合は、順番を相談しておきましょう。先に作ると作り直しになります。この点はホームホワイトニングのデメリットで詳しく整理しています。
装着する前に(毎回)
ここからは毎回の確認です。
歯を磨く
装着前のブラッシングは、手順のなかでも効き目の大きい部分です。
歯の表面にプラークや食べかすが残っていると、薬剤が歯面に直接触れられません。間に何か挟まっていれば、その部分の反応は弱くなります。
省略しがちな工程ですが、ここを飛ばすと結果に差が出ます。
ジェルの量を守る
適量は1本あたり米粒1粒程度です。
多く入れても白くなるのは早まりません。あふれた分は歯ぐき側に流れ、刺激の原因になるだけです。逆に少なすぎると、歯面全体に行き渡りません。
マウスピースの状態を見る
装着したときに浮いている部分がないか、鏡で確認します。
浮いていれば薬剤が漏れやすく、同時にその歯には薬剤が届いていません。ひび割れや変形がないかも、このタイミングで見ておきます。
費用に関する注記(自由診療について)
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容はマウスピースと薬剤を用いた歯の漂白で、費用は歯科医院によって異なります。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。
進め方に迷う点があれば、相談すると具体的になります。
装着している間
装着中の注意です。
飲食しない
マウスピースを装着している間、飲食はできません。水も避けます。
薬剤が薄まるだけでなく、飲食物が薬剤と混ざった状態になります。装着時間は「何もしない時間」ではなく「飲食できない時間」だと捉えておきましょう。
はみ出したジェルを拭き取る
装着したときに歯ぐき側へ押し出された分は、その場でティッシュや綿棒、清潔な指で拭き取ります。
装着している1〜2時間ずっと薬剤が歯ぐきに触れているのと、装着直後に拭き取るのとでは、刺激の量が大きく変わります。この一手間で歯ぐきの痛みはかなり防げます。
決められた時間を守る
指定された装着時間を超えないようにします。
長く付ければ早く白くなる、というものではありません。濃度と時間はセットで設計されているため、時間だけを延ばすとしみる症状が出やすくなります。症状が出れば休むことになり、結果的に遅れます。
眠ってしまった場合
装着したまま眠ってしまうことがあります。
使用している製品によっては、就寝中の装着を前提に設計されているものもあります。指示がない限りは避けるべきですが、一度眠ってしまったからといって慌てる必要はありません。 起きたら外して口をゆすぎ、しみる症状が出ていないかを確認します。症状があれば、その日は休みます。
繰り返し起きるようなら、装着する時間帯を変えるほうが確実です。
外したあと
外してからも、いくつかあります。
マウスピースの洗浄と保管
水かぬるま湯で洗います。熱いお湯は変形の原因になります。
洗ったあとは水気を切って、指定された方法で保管します。高温になる場所は避けます。夏場の車内、直射日光の当たる窓際が典型的な変形の原因です。
1〜2時間の飲食に注意
外した直後は、歯の表面を覆う膜が一時的に失われた状態です。この時間帯に色の濃い飲食物を摂ると、明るくした分に着色が乗ります。
目安は1〜2時間程度ですが、指示があればそちらに従います。麺類のように判断に迷うものはホワイトニング後にうどんは食べていい?で個別に扱っています。何を避けるかはホワイトニング後の食事にまとめています。
記録を取る
変化が緩やかなので、記録がないと判断できません。
開始前と、週に1回程度。同じ照明・同じ角度で写真を撮っておくと、後から比較できます。「変わっていない気がする」と不安になったとき、これが判断材料になります。
やってはいけない8つ
散らばっている禁止事項を一覧にします。
- 装着したまま飲食する
- 指示がないのに装着したまま寝る
- 熱いお湯でマウスピースを洗う
- ジェルを指定より多く入れる
- 装着時間を自己判断で延ばす
- マウスピースやジェルを他人と共用する
- 期限切れ、または高温で保管したジェルを使う
- 症状が出たまま続ける
このうち4と5は「早く白くしたい」という気持ちから起こります。どちらも効果を上げず、症状を出すだけなので、実際には遠回りになります。
7については、薬剤が温度と時間の影響を受けるためです。分解が進んだジェルは作用が落ちています。詳しくはホームホワイトニングのジェルで整理しています。
症状が出たときの判断
期間中に何か起きたときの目安です。
歯がしみる
装着をやめれば、数時間から2日程度で落ち着くのが一般的です。
1〜2日休んでから、装着時間を短くして再開します。同じ条件で再開すると同じことが起こるので、条件を変えるのが前提です。
歯ぐきが痛い・白くなった
薬剤が歯ぐきに触れたことによる一時的な変化で、多くは数時間から1日程度で戻ります。
原因はジェルの量が多い、マウスピースが合っていない、拭き取りが足りない、のいずれかであることが多くなります。次回に向けて見直しましょう。
受診の目安
次の場合は、期間の途中でも受診してください。
- 装着をやめても24時間以上、症状が続く
- 何もしていないときにも痛みがある
- 特定の1本だけが強く痛む
- 歯ぐきの痛みや白濁の範囲が広がる
いずれも、ホワイトニングによる一時的な反応とは別の原因が関わっている可能性があります。詳しくはホワイトニングは痛い?で整理しています。
判断に迷う症状は、伝えれば切り分けてもらえます。
よくある質問
数日サボってしまいました
それまでの分がなくなるわけではありません。再開すればそこから積み上がります。ただし、空く日が常態化すると目標到達までの期間は延びます。続かない場合は、装着する時間帯そのものを見直すほうが早く解決します。
生理中や体調が悪いときは
体調によっては、普段より刺激を感じやすくなることがあります。無理に続ける必要はありません。休んでから再開できます。
旅行に持って行けますか
持って行けますが、温度に注意してください。夏場の移動中に高温になる場所へ置くと、マウスピースが変形し、ジェルの作用も落ちます。また、装着中は飲食できないため、旅行中の予定に組み込めるかも考えておきましょう。
マウスピースが臭う
洗浄が足りていない可能性があります。使用後は毎回洗い、水気を切って保管してください。専用の洗浄剤を使う方法もあります。それでも改善しない場合や、変色している場合は、作り直しを含めて相談しましょう。
まとめ
ホームホワイトニングの注意事項は、時系列で持つと抜けが出にくくなります。
始める前(1回だけ)は、治療を先に済ませること、詰め物の位置を確認すること、しみやすさを伝えること、そして今後の治療や矯正の予定を伝えること。歯型が変わるとマウスピースは使えなくなります。
装着する前(毎回)は、歯を磨くこと、ジェルの量を守ること、マウスピースの浮きを確認すること。装着中は、飲食しないこと、はみ出しを拭き取ること、時間を守ること。外したあとは、水かぬるま湯で洗って適切に保管し、1〜2時間の飲食に気をつけ、記録を取ること。
そして、やってはいけない8つ。なかでも「ジェルを多く入れる」と「装着時間を延ばす」は、効果を上げずに症状だけを出します。 早く白くしたい気持ちから起こる行動ですが、実際には遠回りになります。
症状が出て、中止しても24時間以上続く場合は、期間の途中でも受診してください。
東京銀座有楽町矯正歯科のホワイトニング
通院の負担を抑えたい方に向けて、オンライン診療と自宅でのケアで進めるホワイトニングをご用意しています。3Dスキャンで採得した歯型からオーダーメイドのマウスピースを作成し、歯科医師の診断のもとでホワイトニング剤と知覚過敏抑制剤をお届けします。
- 診察はオンラインで完結。マウスピースをお持ちの方は来院いただく必要がありません
- 歯型に合わせたオーダーメイドのマウスピースで、薬剤を歯の隅々まで行き渡らせます
- しみる症状に備えた知覚過敏抑制剤を同梱。経過はLINEでご相談いただけます
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります



