マウスピースとジェルは受け取った。ただ、いざ自分でやろうとすると細かいところが思い出せない。ジェルはどのくらい入れるのか、はみ出したらどうするのか、外したあとは何をするのか。
ここでは1回分の流れを手順で追い、量と時間を守る理由、やりがちな間違い、できない日の立て直し方までを整理します。なお装着時間や使用量は処方された薬剤の種類と濃度によって変わります。本記事の数値は一般的な目安として読み、実際には歯科医院の指示を優先してください。
始める前に用意するもの・確認すること
初回だけ、少し準備をしておくとその後が楽になります。
歯科医院から受け取るもの
自分の歯型に合わせたマウスピース、ホワイトニングジェル、そして保管用のケースが基本のセットです。しみる症状に備えて知覚過敏抑制剤が一緒に渡されることもあります。
ジェルには濃度の表示があります。使用時間の指示はこの濃度と結びついているため、受け取ったときに何時間装着するかを確認しておきましょう。
手元にあると進めやすいもの
3つあります。装着の状態を確認する鏡、はみ出したジェルを拭き取るティッシュや綿棒、そして装着時間を計るタイマーです。
タイマーはスマートフォンで構いません。感覚で計ると長くなりがちなので、はじめのうちは計ることをおすすめします。
開始前に歯の色を記録しておく
始める前の状態を写真に残しておきます。少しずつ変わっていくため、毎日鏡を見ているだけでは変化に気づきにくいからです。
同じ照明、同じ角度、同じ距離で撮っておくと、あとで比べたときに差がわかります。シェードガイドという色見本を渡された場合は、そのときの段階もメモしておきましょう。
1回分のやり方を手順で追う
ここからが実際の流れです。慣れれば5分ほどの準備で始められます。
手順1 歯を磨いて表面をきれいにする
まず歯磨きをして、歯の表面の汚れを落とします。食べかすやプラークが残っていると、その部分に薬剤が届きません。
歯間ブラシやフロスも使えると理想的です。磨いたあとは口をゆすぎ、軽く水気を切ります。
手順2 ジェルを入れる
マウスピースの、歯の表側にあたる部分にジェルを置いていきます。1本あたりの量の目安は米粒1粒程度です。
少なく感じるかもしれませんが、これで足ります。装着すると圧がかかってジェルが広がるため、多く入れる必要はありません。前歯から奥歯まで、対象の歯すべてに同じように置いていきます。
手順3 装着し、浮きとはみ出しを確認する
鏡を見ながらマウスピースを装着します。指で軽く押さえて、浮いている部分がないか確かめます。浮いていると、その部分だけ薬剤が届かず色ムラの原因になります。
装着するとジェルが押し出され、歯ぐき側にはみ出すことがあります。はみ出した分は、ティッシュや綿棒、清潔な指で優しく拭き取ります。歯ぐきに薬剤が長く触れていると、一時的に白っぽくなったりピリピリした刺激を感じたりすることがあるためです。
手順4 指定された時間そのまま過ごす
装着したら、指示された時間そのまま過ごします。一般的には1〜2時間ですが、濃度によって異なります。
この間は普通に過ごして構いません。読書、家事、入浴、動画を見るなど、外出しない時間帯に組み込むと続けやすくなります。会話は可能ですが、しゃべりにくさは感じます。
手順5 外して口をゆすぐ
時間になったらマウスピースを外し、口を水でゆすぎます。歯の表面に残ったジェルを流すためです。
このあと、しばらくは色の濃い飲食物を控えます。歯の表面を覆っている膜が一時的に失われ、着色しやすい状態になっているためです。
手順6 マウスピースを洗って保管する
マウスピースは水で洗います。指でこすってジェルを落とせば十分です。
洗い終わったらティッシュなどで水分を拭き取り、専用のケースに入れて保管します。濡れたままケースに入れると雑菌が増えやすくなるため、水気を切ってから収めます。
量と時間を守る理由
ここが自己流に走りやすいところです。理屈がわかると、余計なことをしなくなります。
多く入れても白くなるのは早まらない
ジェルを多く入れても、歯に接する面積が増えるわけではありません。マウスピース内の余った分は、装着したときに歯ぐき側へ押し出されるだけです。
つまり効果は変わらず、歯ぐきへの刺激だけが増えます。歯ぐきが白く濁ったり、ヒリヒリした感覚が出たりする原因の多くはこれです。
長くつけても早まらず、しみやすくなる
装着時間を延ばしても、白くなるスピードは比例して上がりません。薬剤の作用には時間あたりの限界があり、指定時間はそれを踏まえて設定されています。
一方で、歯や歯ぐきへの負担は装着時間に応じて積み上がります。長くつけるほど、しみる症状が出やすくなります。早く結果がほしいときこそ、指定時間を守るほうが結局は近道です。
ジェルを無駄にすると費用にも響く
ジェルは使い切ったら追加購入します。1回あたりの使用量が多いと、その分だけ早くなくなり、追加の頻度が上がります。
参考として、ホームホワイトニングの費用はマウスピース作成を含めて8,000〜40,000円が目安で、ジェルの追加は別途かかります。月額でまとめて提供される形をとっている歯科医院もあります。費用の全体像はホワイトニングの値段で整理しています。
費用に関する注記(自由診療について)
ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容はマウスピースを用いたホームホワイトニングで、費用は歯科医院や提供されるジェルの本数によって異なります。上記は一般的な相場であり、特定の医院の料金ではありません。主なリスク・副作用として、施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な期間には個人差があります。
進め方や量に迷いがあるときは、自己判断で調整せず確認しておくと安心して続けられます。
やりがちな間違いと対処
ここに挙げるものは、どれも「よかれと思って」起きるものです。
熱いお湯で洗ってしまう
清潔にしようとしてお湯で洗うと、マウスピースが変形します。素材が熱に弱いためです。
変形すると歯型に合わなくなり、薬剤が均一に届かなくなります。作り直しになることもあるため、洗浄には水を使います。
歯磨き粉でマウスピースを磨く
歯磨き粉に含まれる研磨剤で、マウスピースの表面に細かい傷がつきます。傷は汚れが溜まる原因になります。
基本は水と指で十分です。専用の洗浄剤を渡された場合は、その指示に従います。
ジェルを高温の場所に置いてしまう
ホワイトニングジェルは温度の影響を受けます。直射日光が当たる場所や、夏場の車内のような高温になる場所は避けます。
保管方法は製品によって異なります。冷蔵保存を指示されている場合は、その方法を守ります。
つけたまま眠ってしまう
装着時間を超えて長時間つけたままにすると、歯や歯ぐきへの刺激が強くなります。就寝時の使用を想定した薬剤もありますが、これは処方された種類によります。
夜に行う場合は、タイマーやアラームを設定しておきましょう。眠ってしまう心配があるなら、装着する時間帯を早めるほうが確実です。
装着したまま飲食する
マウスピースをつけたまま飲み物を飲むと、ジェルが薄まって流れ出します。色の濃い飲み物であれば、マウスピース内に色素が入り込むことにもなります。
装着中は水も含めて飲食を控え、外してから摂るようにします。
続けるためのコツ
結果に差が出るのは、やり方の細かさより続けられたかどうかであることが多いものです。
生活のどこに組み込むか
1〜2時間まとまって外出しない時間帯を、あらかじめ決めておきます。入浴後から就寝前まで、在宅で作業する時間、休日の午前中など、自分の生活で安定して確保できる枠を選びます。
「時間ができたらやる」にすると、続きません。先に枠を決めてしまうほうが定着します。
できなかった日のリカバリー
忙しくてできない日は出ます。ここでやめてしまうのがもっともったいないパターンです。
数日空いても、それまでの変化がなくなるわけではありません。再開すればそこから積み上がります。空いた分を取り戻そうとして時間を延ばしたり量を増やしたりする必要もありません。いつもどおりの量と時間で再開しましょう。
変化を記録して比べる
週に1回程度、同じ条件で写真を撮っておきます。毎日見ていると変化に気づきにくく、「効いていないのでは」と不安になりがちだからです。
シェードガイドがあれば、段階でも記録しておくと変化がはっきりします。歯の色を記録して歯科医師と共有できる仕組みを用意している歯科医院もあります。
進み具合に不安があるときは、一人で判断せず相談すると方向がはっきりします。
よくある質問
ジェルが少なすぎた気がします
装着したときに歯の表面全体に広がっていれば足りています。判断の目安は、外したあとに歯の表面が薄く覆われていた感触があるかどうかです。明らかに届いていない歯があった場合は、次回その歯に置く量を少しだけ増やします。増やすのは足りなかった歯だけで構いません。
はみ出したジェルを飲み込んでしまいました
少量であれば大きな問題になることは通常ありません。口をゆすいでおきましょう。ただし、繰り返し起きる場合は入れる量が多い可能性があります。量を見直しましょう。気になる症状があるときは歯科医院に相談しましょう。
毎日やらないとだめですか
処方の内容によります。毎日の使用を前提とした指示が多い一方、1日おきを指示される場合もあります。しみる症状が出たときは間隔を空ける調整をします。自己判断で頻度を上げるのは避けましょう。
いつ終わりにすればいいですか
目標として設定した白さに届いた時点が一区切りです。シェードガイドで確認すると判断しやすくなります。到達後は色が戻り始めたタイミングで短期間だけ再開する使い方に切り替えます。判断に迷う場合は、記録した写真を持って相談してください。
まとめ
ホームホワイトニングの1回分は、歯を磨く、ジェルを入れる、装着して浮きとはみ出しを確認する、指定時間過ごす、外して口をゆすぐ、水で洗って保管する、という流れです。
ジェルの量は米粒1粒程度、装着は1〜2時間が一般的な目安になります。多く入れても長くつけても白くなるのは早まらず、歯ぐきへの刺激としみる症状が増えるだけです。ここを理解しておくと、自己流に走らずに済みます。
熱いお湯での洗浄、歯磨き粉での洗浄、高温での保管、装着したままの飲食は避けてください。そして、できない日があっても再開すれば積み上がります。使用時間や頻度は処方された薬剤によって変わるため、迷ったときは歯科医院の指示を優先してください。
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通院の負担を抑えたい方に向けて、オンライン診療と自宅でのケアで進めるホワイトニングをご用意しています。3Dスキャンで採得した歯型からオーダーメイドのマウスピースを作成し、歯科医師の診断のもとでホワイトニング剤と知覚過敏抑制剤をお届けします。
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります



