受け口は矯正で治せる?原因タイプ別の治療法・大人と子ども・費用を中立解説

下の前歯が上の前歯より前に出ている「受け口」。しゃくれた印象になったり、噛み合わせが気になったりして、矯正で治したいと考えている方は多いですよね。ただ、いざ調べると「矯正だけで治るのか」「手術が必要と言われたら」「大人になってからでは遅いのでは」と、次々に不安がわいてなかなか踏み切れないのではないでしょうか。

受け口を矯正で治せるかどうかは、その原因によって変わります。歯の傾きが主な原因なら矯正で対応しやすい一方、下顎の骨格が関係している場合は外科的な治療が検討されることもあります。この記事では、受け口とは何か、原因の2つのタイプ、タイプ・程度で変わる治療法、大人と子どもの違い、そして費用や保険適用までを中立的に整理します。読み終えるころには、自分に合う進め方を考えるための材料が持てるはずです。

目次
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受け口(反対咬合)とは?

受け口とは、上下の歯を噛み合わせたときに、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態を指します。専門的には「反対咬合(はんたいこうごう)」と呼ばれます。通常は上の前歯が下の前歯に少し重なりますが、受け口ではこれが逆になっています。

受け口は、見た目の面では、横顔があごの出た「しゃくれた」印象になりやすいという特徴があります。また、機能の面でも、前歯でうまく食べ物を噛み切りにくい、噛み合わせのバランスが崩れやすい、発音(とくにサ行など)に影響が出ることがある、といった点が指摘されることがあります。ただし、その程度や影響には個人差が大きく、すべての方に同じことが起こるわけではありません。見た目が気になる方もいれば、噛みにくさなど機能面が気になる方もおり、何を改善したいかは人によって異なります。

受け口はさまざまな歯並びのタイプのひとつで、ほかの歯並びの状態と併せて起こることもあります。前歯の歯並びのタイプ全般については前歯の歯並び5パターンの解説もあわせてご覧ください。受け口を治療で考えるうえでは、まず「なぜ受け口になっているのか」という原因を知ることが出発点になります。

受け口の原因は2タイプ(歯性・骨格性)

受け口の原因は、大きく2つのタイプに分けて考えられます。どちらのタイプか(あるいは両方が混ざっているか)によって、適した治療法が変わってきます。

ひとつ目は、歯性(しせい)のタイプです。これは、あごの骨格自体には大きな問題がなく、上下の前歯の傾きが主な原因で受け口になっているケースです。たとえば、上の前歯が内側に傾いていたり、下の前歯が前に傾いていたりすることで、噛み合わせが逆になっている状態です。歯の傾きが主な原因のため、歯を動かす矯正で改善が見込みやすいタイプです。

ふたつ目は、骨格性(こっかくせい)のタイプです。これは、下あご(下顎)が上あごよりも前に出ている、あるいは上あごの成長が不十分であるなど、あごの骨格そのものが原因になっているケースです。遺伝や成長の影響が関係するとされ、程度が大きい場合は、歯を動かすだけでは十分な改善が難しいことがあります。

実際には、この2つが混ざっているケースもあります。自分がどちらのタイプで、どの程度なのかは、見た目だけでは判断が難しいものです。歯性・骨格性それぞれの治療の選択肢についてはしゃくれを治す方法は?歯性と骨格性で異なる治療選択肢でくわしく解説しています。タイプの見極めには、精密検査が必要になります。

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受け口の治療法(タイプ・程度で変わる)

受け口の治療法は、原因のタイプと程度によって変わります。主な選択肢を見ていきましょう。

軽度で歯性のタイプ、つまり歯の傾きが主な原因の場合は、歯を動かす矯正で対応しやすくなります。透明で目立ちにくいマウスピース矯正や、幅広い動きに対応しやすいワイヤー矯正で、前歯の傾きや位置を整えていく方法です。マウスピース矯正で受け口に対応できるかどうかの適応と限界は反対咬合(受け口)はマウスピース矯正で治せる?でくわしく解説しています。

一方、骨格性で程度が大きいタイプの場合は、歯を動かすだけでは根本的な改善が難しいことがあります。このようなケースでは、あごの骨の位置を手術で整える外科矯正(外科的な治療と矯正を組み合わせる方法)が検討されることがあります。外科矯正は、矯正で歯並びを整えたうえで、あごの位置を手術で修正し、その後さらに噛み合わせを仕上げる、という流れで進められるのが一般的です。

どの治療法が適しているかは、受け口のタイプと程度、そしてご本人の希望によって変わります。「マウスピースで治したい」という希望があっても、骨格性で程度が大きい場合は、他の方法が適していることもあります。逆に、軽度であれば目立たない方法で対応できることもあります。まずは精密検査で、自分の受け口がどのタイプで、どの治療法が向いているのかを確認することが大切です。

大人と子どもで治療は違う?

受け口の治療は、大人と子どもで進め方が異なる部分があります。

子どもの場合は、あごが成長する時期であることを利用した治療ができることがあります。成長期に、上あごの成長を促したり、あごのバランスを整えたりする装置を使うことで、骨格的な問題に働きかけられる可能性があります。成長を利用できるのは子どもならではの特徴です。

一方、大人の場合は、あごの成長が終わっているため、成長を利用した治療はできません。そのため、歯を動かす矯正で対応するか、骨格性で程度が大きい場合は外科矯正を検討する、という選択になります。なお、子どもの頃に治療して受け口が改善していても、成長にともなって再びあごが前に出てくることがあり、成長を見守りながら判断していくケースもあります。「大人になってからでは遅いのでは」と心配される方もいますが、軽度・歯性のタイプであれば、大人になってからでも矯正で対応できることがあります。ただし、骨格性のケースでは、大人では外科的な治療が選択肢になることが多くなります。

大人・子どものいずれの場合も、適した治療の開始時期や方法は一人ひとり異なります。気になる場合は、早めに歯科で相談し、状態を確認してもらうとよいでしょう。

受け口矯正の費用・期間と外科矯正の保険適用

費用や期間、そして保険が使えるのかも、気になるところですよね。ここでは目安を整理します。

歯を動かす矯正で受け口を治す場合、多くは奥歯を含めた全体矯正になり、費用は一般的な相場として約60万〜100万円程度が目安とされています。期間は程度によって幅がありますが、数ヶ月から数年かかることがあります(この期間には、動かした歯を安定させる保定期間は含みません)。これらは装置や範囲によっても変わります。

ここで知っておきたいのが、外科矯正の場合の保険適用です。通常の歯列矯正は自由診療(保険適用外)ですが、顎変形症などの一定の診断がつき、指定された医療機関で外科矯正を行う場合には、公的医療保険の対象になることがあります。その場合、矯正や手術の費用が保険適用となり、自己負担の額が変わります。ただし、保険が適用されるかどうかは診断や条件によって決まるため、詳しくは医療機関で確認が必要です。矯正全体の費用相場はマウスピース矯正の値段はいくら?料金相場ガイドも参考になります。

費用に関する注記(自由診療について)

歯列矯正は、多くが自由診療(保険適用外)です。上記は一般的な相場の目安で、実際の費用は治療範囲・装置・程度・クリニックにより異なり、変動することもあります。主なリスク・副作用として、治療中の痛みや違和感、歯根吸収、歯ぐきの退縮などが生じる場合があります。骨格性で程度が大きい受け口では、外科的な治療が必要になることがあります。顎変形症などの診断がある場合、外科矯正が保険適用となることがありますが、適用の可否は診断・条件によります。適応や治療方針は精密検査での診断にもとづいて決まります。

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よくある質問(FAQ)

Q. 受け口は矯正で治せますか?

歯の傾きが主な原因の軽度な受け口(歯性)であれば、歯を動かす矯正で改善が見込めることがあります。一方、下あごが前に出ているなど骨格が原因で程度が大きい場合(骨格性)は、歯を動かすだけでは難しく、外科矯正が検討されることがあります。治せるかどうかや適した方法は、精密検査で確認するのが確実です。

Q. 大人になってからでも受け口を治せますか?

軽度・歯性のタイプであれば、大人になってからでも矯正で対応できることがあります。ただし、大人はあごの成長が終わっているため、成長を利用した治療はできません。骨格性で程度が大きい場合は、外科矯正が選択肢になることが多くなります。まずは状態を確認してもらいましょう。

Q. 受け口の治療に外科手術は必要ですか?

すべての受け口に手術が必要なわけではありません。歯性で軽度なら矯正のみで対応できることがあります。手術(外科矯正)が検討されるのは、主に骨格性で程度が大きいケースです。必要かどうかは、タイプと程度をもとに診断されます。骨格性の治療選択肢はしゃくれを治す方法も参考にしてください。

Q. 費用はどれくらいですか?保険は使えますか?

歯を動かす矯正の場合、全体矯正で約60万〜100万円程度が目安です(参考価格・変動します)。通常の矯正は自由診療ですが、顎変形症などの診断があり指定医療機関で外科矯正を行う場合は、保険適用となることがあります。適用の可否は診断・条件によるため、医療機関で確認しましょう。

まとめ

受け口(反対咬合)を矯正で治せるかどうかは、原因のタイプによって変わります。歯の傾きが主な原因の軽度な歯性であれば、マウスピース矯正やワイヤー矯正で対応しやすく、大人になってからでも治療できることがあります。一方、下あごが前に出ているなど骨格が原因で程度が大きい骨格性の場合は、歯を動かすだけでは難しく、外科矯正が検討されることがあります。外科矯正は、顎変形症などの診断があれば保険適用となることもあります。

大切なのは、見た目だけで自己判断せず、精密検査で自分の受け口がどのタイプで、どの治療法が向いているのかを確かめたうえで、費用まで含めて納得して選ぶことです。受け口が気になる方は、まず無料カウンセリングで、自分のタイプと治療の選択肢を相談することから始めてみてください。判断に必要な材料がそろえば、後悔のない選択に近づけます。

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