「マウスピース矯正をしたいけど、失敗したらどうしよう…」
「やっぱりワイヤー矯正にしておけばよかったって後悔しないかな」
このような不安から、マウスピース矯正をなかなか始められずに悩んではいませんか。
近年多くの人に選ばれているマウスピース矯正ですが、「効果が出ない」「後戻りした」「追加料金がかかった」など、思わぬ失敗に後悔する人も少なくありません。
本記事では、マウスピース矯正で実際によくある失敗例とその原因、事前にできる対策、そして万が一の失敗時に取るべき対応までを徹底的に解説します。さらに、失敗しやすい歯並びの特徴や、信頼できるクリニック選びのポイントも紹介。
「マウスピース矯正はしたいけど後悔はしたくない」と思っている方はぜひ参考にしてください。
マウスピース矯正は失敗する?
結論からいうと、マウスピース矯正にも失敗のリスクはあります。ここでいう“失敗”とは、「歯の動きが計画通りに進まない」「結果に満足できない」「追加の治療が必要になる」といった状態のことです。
ただし、このような失敗はマウスピース矯正に限った話ではありません。他の矯正方法を選んだ場合でも、少なからず失敗のリスクはあります。
また、失敗の多くは事前の知識と準備で回避可能です。続いて、実際によくある失敗例とその背景を詳しく見ていきましょう。
マウスピース矯正でよくある失敗
マウスピース矯正でよくある失敗は以下のとおりです。
- 歯が予定通りに動かない・効果が感じられない
- 治療期間が想定以上に延びてしまう
- 矯正完了後に歯並びが後戻りする
- 痛みや違和感が長く続く
- マウスピースの破損・不適合などのトラブルが起こる
それぞれについて詳しく解説します。
歯が予定通りに動かない・効果が感じられない
マウスピース矯正で最も多い失敗例が、歯の移動が計画通りに進まないケースです。「治療開始から数ヶ月経ったのに、見た目の変化が実感できない」と不安を感じる方は少なくありません。
効果を実感するスピードは歯並びの状態によって個人差がありますが、一般的には3ヶ月程度で何らかの変化が見られることが多いとされています。ただし、奥歯の移動や複雑な症例では効果の実感に時間がかかりやすいため、治療の途中で「やらなければよかった」「失敗した」と感じる人もいるようです。
治療期間が想定以上に延びてしまう
当初予定していた計画より治療期間が延びてしまったというケースも、マウスピース矯正のよくある失敗の一つです。
延長の主な要因として、装着時間の不足や歯の動きが想定より遅いことが考えられます。治療に遅れが生じると、場合によっては治療計画の見直しや追加のマウスピースが必要になり、その際に追加費用が発生する可能性もあります。
矯正完了後に歯並びが後戻りする
矯正中はとくにトラブルが生じなかったものの、矯正完了後に歯が元の状態に戻ろうとする「後戻り」が起こり、失敗したと感じるケースもあります。
矯正完了後の後戻りは、主にリテーナー(保定装置)の使用を怠ることで起こります。
歯は動かした直後が最も不安定なため、最低でも治療後1年間はリテーナーの装着が欠かせません。保定を怠り後戻りが生じた場合、再治療が必要になり、追加の時間と費用がかかることもあります。
痛みや違和感が長く続く
人によっては、マウスピースを装着しているときの痛みや違和感が原因で「失敗した」と感じるケースもあります。
マウスピース装着時の痛みや違和感は数日から1週間程度で慣れてくることがほとんどですが、治療中に何らかのトラブルが起こると、痛みや違和感が長期間続くことも。また、口内炎や歯茎の炎症、顎関節症の症状が現れることもあります。
痛みや違和感が続く場合は、マウスピースの適合性や治療計画に問題がある可能性も考えられるため、早期に医師に相談することが必要です。
マウスピースの破損・不適合などのトラブルが起こる
「マウスピースが割れた」「浮いて合わない」といったトラブルも見受けられます。
このような失敗は、素材の劣化や取り扱いのミス、歯の動きにマウスピースが追いついていないことが原因です。マウスピースの破損やフィット不良は、治療効果を妨げるだけでなく、口腔内を傷つける原因にもなります。
破損やフィット不良などのトラブルが起こった際は、無理に使い続けず、すぐに再作製を依頼しましょう。
マウスピース矯正が失敗する5つの原因
マウスピース矯正の失敗は、突発的なトラブルではなく、根本的な原因が重なって起こることがほとんどです。
ここではマウスピース矯正を行う際、特に注意すべき5つの根本原因を解説します。
原因①装着時間が短い
マウスピースの装着時間が短いと、計画通りに歯が動かず、失敗につながりやすくなります。
マウスピース矯正を成功させるには、1日20時間以上の装着が必要とされています。装着時間が短くなるにつれて効果が低下するため、「少しくらい外しても大丈夫」と油断していると、治療計画全体を狂わせる原因になります。
原因②適応外の歯並びを無理に治療している
マウスピース矯正には適応症例の限界があります。重度の歯並びの乱れや骨格的な問題がある場合、無理にマウスピースで治療を進めても期待した結果が得られません。
適応外症例での治療は、治療期間が大幅に延長しやすくなるうえ、最終的にワイヤー矯正への変更が必要になるリスクが高くなります。
原因③治療計画にミスがある
治療計画の精度は、マウスピース矯正の成功可否を左右します。経験不足の医師による見落としや、検査を省いた簡易な計画では、歯が想定通りに動かず失敗する可能性が高まります。
原因④定期チェックとフォローが十分にできていない
治療中の定期チェック・フォロー不足も失敗につながる原因の一つです。
マウスピース矯正では定期的なチェックにより、治療の進行状況を確認し、必要に応じて計画を修正する必要があります。また、フォローアップが不十分だと、問題の早期発見ができません。
原因⑤自己管理がしっかりとできていない
マウスピースの清掃不良や保管方法の誤り、装着・取り外し方法の間違いなど、患者側の管理不足も失敗の原因となります。
また、治療中の口腔衛生管理が不十分だと、虫歯や歯周病のリスクが高まり、治療の継続が困難になる場合があります。正しいケア方法の指導と患者の理解が重要です。
マウスピース矯正に向かない歯並びとは?
マウスピース矯正で失敗する原因のひとつが、「適応外の歯並び」で無理に治療を始めてしまうことです。マウスピース矯正は万能ではなく、対応できる症例には限界があります。
以下のような歯並びはマウスピース矯正での失敗リスクが高いため、特に注意が必要です。
- 重度の叢生(でこぼこ)や八重歯
- 重度の出っ歯や受け口
- 抜歯が必要な歯並び
- 深い噛み合わせや開咬の問題がある歯並び
- あごの位置関係に問題がある歯並び
- 歯の欠損や重度の虫歯がある場合
それぞれについて詳しく解説します。
重度の叢生(でこぼこ)や八重歯
歯が重なり合っている程度が大きい重度の叢生や、犬歯が大きく飛び出している八重歯は、マウスピース矯正の難易度が高い症例です。歯を並べるスペースの確保が困難な場合があります。
軽度の叢生であればマウスピース矯正で改善可能ですが、重度の場合は抜歯やワイヤー矯正が必要になることが多いとされています。
重度の出っ歯や受け口
前歯が大きく前に出ている重度の出っ歯(上顎前突)や、下顎が前に出ている受け口(下顎前突)は、マウスピースでの移動に限界があります。
特に骨格に原因がある重度の症例では、外科的矯正(手術)が必要になる場合もあります。軽度から中程度の症例であれば、マウスピース矯正でも改善が期待できます。
抜歯が必要な大幅な歯並び
抜歯を伴う矯正治療では、大きなスペースを閉じるための歯の移動が必要になります。このような大幅な移動が必要な歯並びは、マウスピースでは困難な場合が多いとされています。
抜歯後のスペースを閉じる場合、奥歯の前方移動や前歯の後方移動など、複雑な歯の動きが必要になるため、ワイヤー矯正の方が適している場合があります。
深い噛み合わせや開咬の問題がある歯並び
上下の歯の噛み合わせが深すぎたり、奥歯を噛んでも前歯が接触しない歯並びは、マウスピース矯正での改善が困難な症例です。
これらの症例では垂直的な歯の移動や噛み合わせの高さの調整が必要になり、マウスピースでは対応に限界があることが多いとされています。
あごの位置関係に問題がある歯並び
上下のあごの位置関係に問題がある不正咬合は、マウスピース矯正の適応外となることが多い症例です。特にあごの左右のずれがある場合は、治療が複雑になります。
骨格的な問題は成長期の早期治療や外科的矯正治療が必要になる場合があり、マウスピースでの歯の移動だけでは根本的な改善が困難です。
歯の欠損や重度の虫歯がある場合
欠けている歯や重度の虫歯がある場合、マウスピース矯正の治療計画が複雑になります。まず歯科治療を優先する必要があります。
また、歯周病が進行している場合も、まず歯周治療を行って口腔環境を整えてから矯正治療を開始する必要があります。
失敗しないマウスピース矯正のために今できること
マウスピース矯正の成功率は、どこで・誰に治療を任せるかで大きく変わります。治療内容や費用より先に、「失敗を避けられるクリニックかどうか」を見極めることが重要です。
以下のポイントを押さえておくことで、後悔のない選択がしやすくなります。
①専門医と症例実績があるか確認する
治療を受けるクリニックを選ぶ際は、まず専門医がいるかどうか、またこれまでの症例実績を必ず確認しましょう。
専門医の有無は治療計画の精度とトラブル時の対応力に直結します。日本矯正歯科学会の認定医・指導医が在籍しているかどうかは、信頼性の指標となるでしょう。
また、自分と似た症例のビフォーアフター写真があれば、仕上がりのイメージも具体化しやすくなります。
②精密検査と治療計画の具体性をチェックする
精密検査の内容と治療計画の説明が明確さも、チェックしておきたいポイントの一つです。
CTや口腔内スキャンなどの精密検査を行い、歯根や骨の状態まで確認するクリニックは失敗リスクが低い傾向です。また、検査結果をもとにした具体的な治療計画を説明してくれるクリニックは信頼性が高いといえるでしょう。
具体的な治療計画を説明してくれるかどうかは実際に精密検査を受けてみなければ確認できませんが、事前に口コミなどを確認し、「説明が曖昧だった」「質問に答えてくれなかった」というような意見が見られる場合は再考をおすすめします。
③料金体系と保証制度の内容を事前に確認する
治療を受けるクリニックを選ぶ際は、料金体系と保証制度の内容も事前にしっかりと確認しておきましょう。
マウスピース矯正は追加費用が発生しやすい治療です。そのため、見積書の内訳だけでなく、再治療・延長治療が有料になるケースや、保証の適用条件も確認しておくと安心です。
総額がいくらになるか不安な場合は、定額制や保証付きのサービスも比較対象としておすすめです。当院で提供しているマウスピース矯正「Oh my teeth」は3つの料金プランを用意しており、原則追加料金は発生しません。
また初回シミュレーションの範囲内にて、動ききらなかった部分を修正する治療を無償で行う「満足度保証制度(おかわり矯正)」もついています。
④サポート体制が充実しているかを確認する
治療中は不安や疑問が出てくることもあるため、サポート体制が充実しているかも確認しておきましょう。
LINE相談やオンライン診療が可能か、返答までのスピードはどうかなど、サポートの質は治療満足度に直結します。特に遠方から通う場合や多忙な方は、通院以外の相談手段があるかを必ず確認しましょう。
⑤複数クリニックで比較・相談してみる
マウスピース矯正で失敗しないためには、1院だけで即決せず、複数クリニックを回って比較検討することが重要です。
初診やカウンセリングは無料のことが多いため、セカンドオピニオンを積極的に活用しましょう。「この先生なら任せたい」と思えるかどうかも、重要な判断材料になります。
【状況別】マウスピース矯正で失敗したときの対処法
マウスピース矯正で失敗したと感じた場合でも、すぐに諦める必要はありません。適切な対処をすれば、ダメージを最小限に抑え、再スタートを切ることも可能です。
ここでは、マウスピース矯正で失敗したときの対処法を状況別に紹介します。
効果が出ない場合:再評価と治療計画の見直しを依頼する
装着時間を守っているのに歯が動かないと感じたら、マウスピースの適合や治療計画そのものに原因がある可能性があります。
この場合、治療を受けているクリニックに再スキャン・再診断を依頼して、追加でマウスピースを作成してもらったり、アタッチメントの見直しを相談したりするのが効果的です。
原因不明のまま継続するよりも、早期に立ち止まって治療方法を見直すことが、結果的に短期間での改善につながります。
マウスピースで対応しきれない場合:ワイヤー矯正を検討する
治療途中で「マウスピースでは限界」と診断された場合は、ワイヤー矯正への切り替えも現実的な選択肢です。
この切り替えは通常、新たな契約扱いになるため、追加費用が発生します。ただし、放置するよりも結果的に満足度が高まることも多く、治療の質を優先する視点が大切です。
トラブル対応に不満がある場合:第三者機関に相談する
歯科クリニックとの交渉で解決しない場合は、各都道府県の歯科医師会や消費生活センターに相談できます。
また、医療ADR(裁判外紛争解決手続き)を利用すると、中立的な立場で調整してもらえます。相談時には診療記録や契約書を用意しておくとスムーズです。
治療をやめたい場合:契約解除と返金条件を確認する
「もう続けられない」「納得できない」と感じたら、契約書の返金条項をチェックしましょう。
多くのクリニックでは、未作製のマウスピース分の費用を差し引いた上で返金対応してくれる場合があります。返金申請には期限があることも多いため、気持ちが固まった時点で早めに行動するのが得策です。
マウスピース矯正を成功に導く4つの自己管理術
マウスピース矯正の成功は、クリニック任せではなく、日々の自己管理が大きなカギを握ります。ここでは、失敗リスクを下げるために今日からできる具体的な自己管理の方法を4つ紹介します。
装着時間を見える化して徹底管理する
マウスピース矯正の効果を得るには、1日20時間以上の装着が絶対条件です。そのためには、「気づいたら外していた」を防ぐ工夫が必要です。
スマホのタイマーや専用のトラッカーアプリを使って記録をつけたり、食事や歯磨き後にすぐ装着する習慣をつけたりすることで、安定した装着時間をキープできます。
定期チェックで治療のズレを早期発見する
通院頻度が少ないマウスピース矯正でも、経過確認は欠かせません。オンライン診察や写真提出で計画と実際のズレを把握し、必要に応じて追加のマウスピースを作製します。
通院不要型サービスでも、3か月ごとに口腔内スキャンを推奨するなどフォロー体制があるか確認してください。
口腔ケアと生活習慣を見直す
マウスピース矯正中はこれまで以上に口腔ケアを徹底しましょう。
マウスピース内は唾液が循環しにくく、虫歯や歯周病が進行しやすい環境です。フッ素入り歯磨き粉とデンタルフロスでプラークを徹底除去し、就寝前後にマウスピースも洗浄しましょう。
また、生活習慣を見直すことで、マウスピース矯正の失敗リスクを低減できます。喫煙や色の濃い飲料は着色や変形を招くため、治療中はなるべく控えましょう。
リテーナーで「後戻り」を確実に防ぐ
矯正完了後の保定(リテーナー)を怠ると、歯並びが元に戻る=失敗になってしまいます。一般的には6ヶ月~1年程度の保定期間が必要で、最初は昼夜、それ以降は夜間装着へと移行します。医師の指示に従い、「リテーナーまでが矯正治療の一部」と認識して習慣化することが、成功を長く維持する秘訣です。
事前準備でマウスピース矯正の失敗を防ごう
マウスピース矯正での失敗を防ぐには、治療開始前の情報収集とクリニック選びが何より重要です。
自分の歯並びがマウスピース矯正に適しているかを正しく判断し、専門性の高いクリニックで精密な診断を受けることが、失敗を未然に防ぐ第一歩となります。
当院では、マウスピース矯正を始めるために必要なCTや口腔内スキャンなどの精密検査を無料で実施しています。カウンセリングも無料で行っているので、マウスピース矯正に対して不安を抱えている方はぜひお気軽にご相談ください。


