ローコストマウスピース(LCM)とは、部分矯正に特化することによって、従来60万〜100万円ほどかかっていた矯正費用を10万〜30万円台に抑えたサービスです。
費用を抑えられるのが魅力的ですが、安さの理由やデメリットを正しく理解していないと、「治らなかった」と後悔してしまうリスクもあります。
そこで本記事では、ローコストマウスピースが安さを実現できる3つの理由や、代表的なブランドの特徴、選ぶ際の注意点まで解説します。
※本記事で紹介しているマウスピース矯正は、すべて自由診療(保険適用外)です。
ローコストマウスピース(LCM)とは?なぜそんなに安いの?

ローコストマウスピースとは、60万〜100万円ほどかかるマウスピース矯正を、10万〜30万円台で提供するサービスの総称です。ローコストマウスピースが安さを実現できるのは、3つの理由があります。
理由①:動かす歯の本数を限定しているから(部分矯正)
ローコストマウスピースは多くの場合、上下の前歯を中心とした「部分矯正」に特化しています。
奥歯まで含めた全体矯正では20本以上の歯を同時にコントロールしなければなりませんが、前歯だけなら対象は上下合わせて12本前後。マウスピースの枚数が少なくて済み、治療設計にかかる工数も減るため、費用を抑えられるのです。
理由②:店舗を持たない・DX化によるコストカット
矯正治療は、月1回ペースの通院が一般的です。そのため、受付スタッフの人件費やレントゲン設備の維持費など、来院のたびに固定コストが発生します。
しかし、近年のローコストマウスピース矯正は、デジタル技術を活用した新しい診療スタイルを採用するケースが増えてきました。
初回の精密検査は、提携クリニックで行われます。その後の経過観察については、オンラインで進行状況をチェックしていくのが特徴です。
マウスピース矯正は1〜2週間ごとに新しい装置へ交換しながら歯を動かしていくため、遠隔でも適切なタイミングで進捗を管理しやすくなっています。
このようにデジタル技術を駆使して通院回数を最適化することで、運営にかかる固定費を大幅に削減できるわけです。
こうして削減できたコストを、治療費の引き下げという形で患者さんに還元しています。
理由③:広告費や人件費の削減
大規模なテレビCMを打つ代わりに、SNSやWebマーケティングを活用して広告宣伝費を抑えているブランドも少なくありません。加えて、マウスピースの製造工程に3Dプリンターを導入し、人件費を減らしています。
とはいえ、コスト削減がどこまで「品質に影響しない範囲」で行われているかは、ブランドごとに差があるのが現実です。
ローコストマウスピース(LCM)の代表的なブランド

ここからは、代表的なLCMブランド4つの特徴を紹介します。料金・治療期間・対応範囲はブランドによって異なるため、自分の歯並びや予算と照らし合わせながら読んでみてください。
①マウスピース矯正ローコスト
その名のとおり「ローコスト」を称したブランドで、全国250院以上の提携クリニックを持ちます。対面でのカウンセリングや経過観察を重視している点が特徴です。
部分矯正のライトプランは約33万円、中度〜重度にも対応するスタンダードプランは約55万円。症例の幅広さに応じたプラン設計が売りになっています。
②キレイライン矯正
累計12万人以上の実績を持つ、ローコストマウスピース市場の草分け的存在です。1回あたり4.4万円(税込)から治療を受けられ、5回・10回・15回のコース契約にすれば割引が適用されます。費用の目安は5回コースで約19.8万円、15回コースで約46.2万円。
対応範囲は主に前歯の軽度〜中度の不正咬合で、全顎矯正が必要な症例向けのコースも用意されています。
③Zenyum(ゼニュム)
アジア9カ国以上で展開するシンガポール発のブランドです。日本国内ではゼニュムクリア(部分矯正)が29.7万円、ゼニュムクリア・プラス(全体矯正)が57.5万円、複雑な症例向けのプラス+が66万円という固定料金制を敷いています。
治療計画どおりに進まなかった場合でも、追加費用なくリファインメント(修正治療)を受けられるのも魅力。ただし、リテーナー(保定装置)は別途1セット2.7万円かかるため、総額の確認は忘れずに行いましょう。
④hanaravi(ハナラビ)
hanaraviは、矯正専門の歯科医師が治療計画を作成し、LINEで経過をサポートする体制が強みです。プランはBasic(33万円)、Medium(49.5万円)、Pro(66万円)の3段階。いずれも定額制で、追加費用が発生しない明朗会計を掲げています。
中程度までの歯並びの乱れに対応できるため、「前歯だけじゃなくて、もう少し広い範囲を整えたい」という方の選択肢に入ります。
費用を抑えながら品質・サポートも妥協しないOh my teeth
「矯正費用は抑えたいけれど、安さだけで選ぶのは不安……」という方におすすめなのが、明瞭な料金体系と手厚いサポート体制を両立しているOh my teethです。Oh my teethは、「通わない矯正」をコンセプトに掲げるブランド。東京銀座有楽町矯正歯科はOh my teethを取り扱っています。
初回の無料スキャン以降、原則として通院が不要です。自宅にマウスピースが届き、専用アプリとLINEを使って進捗を専属の医療チームと共有するスタイルを取っています。

料金プランはBasic(上下前歯の部分矯正)が33万円、Pro(奥歯を含む全体矯正)が66万円の2種類のみ。追加費用が発生しない総額固定制です。
マウスピースの企画から製造まで自社で一貫して行い、中間コストを省くことで低価格を実現しています。
※歯並びの状態によっては複数回の通院が必要
ローコストマウスピース(LCM)で後悔・失敗しないための5つのポイント

ローコストマウスピースの安さだけに目を奪われると、思わぬ落とし穴にはまることも。契約前にチェックしておきたい5つのポイントを整理しました。
チェック①自分の症例が「対応範囲内」か確認する
ローコストマウスピースは、重度の叢生(歯が重なり合っている状態)や、出っ歯・受け口など骨格的な問題が絡む症例には対応できないことがあります。
適応外の症例を無理にLCMで進めると、歯が思うように動かない、噛み合わせが崩れるといったトラブルにつながることもあります。
カウンセリングで「うちでは対応できません」と正直に言ってくれる歯科医院は、むしろ信頼の証です。反対に、明らかに複雑な症例なのに「大丈夫ですよ」と安請け合いされた場合は、セカンドオピニオンを検討したほうが賢明でしょう。
チェック②「費用総額」の見積もりをもらう
矯正にかかる費用は、マウスピース代だけではありません。たとえば、リテーナーが別料金で2〜3万円かかるブランドもあれば、総額に含まれているブランドもあります。
初回の検査料、通院ごとの再診料、リテーナー代など含めたトータルの見積もりを、契約前に必ず書面で確認してください。
チェック③「料金体系」がトータルフィー制か都度払いか確認する
LCMの料金体系は、大きく分けて「トータルフィー制」と「都度払い」の2種類があります。トータルフィー制には、治療途中で費用が膨らむ心配がないという安心感があります。
都度払いは「1回4万円」といった安さに惹かれて回数を重ねるうちに、総額が想定を上回ってしまうリスクがある点に注意が必要です。
チェック④契約内容の条件を確認する
契約前に確認しておきたいのは、途中解約の条件、返金ポリシー、追加治療が必要になった場合の費用負担、転院時の対応といった項目です。
特に「追加料金なし」を謳っているブランドでも、適用される条件には細かい但し書きが存在することがあります。契約書の小さな文字まで目を通すのは面倒かもしれませんが、あとから「聞いていなかった」とならないため必ず確認しましょう。
チェック⑤複数の歯科医院で「無料カウンセリング」を受ける
ローコストマウスピースを選択する際は、複数の歯科医院やブランドでカウンセリングを受けることをおすすめします。
なぜなら、「前歯だけの部分矯正で十分」と言われた症例が、別のクリニックでは「奥歯の噛み合わせも調整したほうがいい」と診断されることがあるからです。
自分の症例に対する見解の違いや、提示される治療計画を比較した上で、信頼できる歯科医師を選びましょう。
ローコストマウスピース(LCM)に関するよくある質問(FAQ)

ここでは、ローコストマウスピースについてよく寄せられる疑問をまとめました。
Q. LCMで出っ歯や受け口は治せますか?
出っ歯や受け口は、歯の傾きが原因の「歯性」タイプと、顎の骨格が原因の「骨格性」タイプでは治療のアプローチがまったく異なります。
歯性によるものであれば、LCMで治せる可能性がありますが、骨格性の場合は治せない場合がほとんどです。
まずはカウンセリングで精密検査を受け、自分の症例がどちらに該当するのかを確認しましょう。
Q. LCMとインビザラインはどちらがおすすめ?
一概にどちらが優れているとは言えません。
そもそもLCMとインビザラインは、明確に別のものとして分けられるわけではありません。インビザラインの中にも、前歯の部分矯正に特化した低価格・短期間のプラン(インビザラインGoなど)が存在し、これらをLCMの枠組みとして扱うケースもあります。
重要なのはブランド名ではなく、「部分矯正」と「全体矯正」のどちらがご自身の歯並びに合っているかという点です。
まずはご自身の症状がLCMで対応可能なのかどうか、精密検査を通して歯科医師に見極めてもらいましょう。
Q. LCMで「追加料金なし」は本当ですか?
トータルフィー制を採用しているブランドでは、基本的にマウスピースの追加や再製作に追加費用がかからないことが多いです。ただし、「追加料金なし」の適用範囲はブランドごとに異なります。
よくあるのは、リテーナー代が別途かかるパターンや、精密検査の費用が総額に含まれていないケース。また、虫歯治療やIPRなど矯正以外の歯科処置には当然ながら別途費用が発生します。
契約前に「追加料金なし」の対象がどこまでなのか、書面で明確にしておくとよいでしょう。
Q. 途中で満足できなかったら返金してもらえますか?
返金ポリシーはブランドやクリニックによって異なります。全額返金を保証しているところはほとんどなく、未使用分のマウスピース代のみ一部返金、あるいは返金不可というケースが多いです。
矯正治療は医療行為ですから、「思ったほどの効果が得られなかった」という主観的な理由では返金対象にならないことが一般的でしょう。
契約前のカウンセリングで治療のゴールや、どこまで改善が見込めるかを歯科医師とすり合わせることが重要になります。
Q. LCMで失敗した場合、インビザラインでやり直せますか?
先ほどの質問でも触れたように、インビザラインの中にもLCMのプランが存在します。そのため、ここではLCMで失敗したあとに、インビザラインの全体矯正プランなどでやり直せるかという視点でお答えします。
結論から言うと、技術的にやり直しが可能なケースは多いです。ただし、やり直しには当然ながらインビザラインの費用が新たに発生します。「安さ」だけで決めた結果、トータルでは割高になるリスクがあることは頭に入れておきましょう。
ローコストマウスピース(LCM)選びで後悔しないために
ローコストマウスピース(LCM)は、動かす歯を限定したり、店舗を持たずデジタル技術を活用したりすることで、低価格を実現した矯正サービスです。前歯のズレやすきっ歯など、軽度〜中度の症例において、費用を抑えて治療できる賢い選択肢と言えます。
しかし、安さだけで飛びつくと、自分の症例に対応していなかったり、追加費用で想定外の出費になったりする可能性もあります。
自分の歯並びが対応範囲に入っているか、トータルコストはいくらになるのか、こうした情報を集めた上で判断しましょう。
「費用を抑えつつ、品質やサポート体制も妥協したくない」という方は、明瞭な料金体系と手厚いLINEサポートが特徴のOh my teethも選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
Oh my teethでは、初回の3Dスキャンとカウンセリングが無料。所要時間は約30分で、その場で自分の歯並びの状態と対応可能な治療プランを確認できます。
無理な勧誘はありませんので、情報収集の一つとして気軽に活用してみてください。


