前歯の1本だけが、周りより暗く見える。以前に神経を取る治療を受けた歯が、時間とともに黒ずんできた。この状態に対して行われるのがウォーキングブリーチです。
費用を調べると、「1回2,200円」という記載と「1歯27,500円」という記載が並んで出てきます。10倍以上の開きがあるように見えますが、これは値段の差ではありません。料金体系が2種類あって、数えているものが違うだけです。
ここでは処置の内容を簡単に押さえたうえで、この2つの料金体系の読み方、表示価格に含まれないことがある項目、そして総額の見積もり方を整理します。
ウォーキングブリーチはどういう処置か
費用の話に入る前に、何をするのかを短く確認します。
対象は神経を失って変色した歯
歯の神経を取る治療を受けた歯は、時間の経過とともに内側から暗く変色していきます。ウォーキングブリーチは、この状態に対して行う処置です。
1本単位で行えるのが特徴で、他の歯には手を加えません。
歯の内側から漂白する
歯の裏側から穴を開け、根の詰め物の一部を取り除いたうえで、歯の内部に漂白剤を入れて仮に封をします。
そのまま1〜2週間ほど置き、来院時に薬剤を交換します。これを数回繰り返して色を変えていきます。装置を装着して過ごすわけではないので、日常生活への影響は小さくなります。
通常のホワイトニングとの違い
通常のホワイトニングは、歯の外側から薬剤を作用させます。しかし神経を失った歯は、変色の原因が歯の内部にあるため、外側からでは届きにくくなります。
そのため、内側に薬剤を入れるという方法が採られます。同じ「白くする」でも、届かせる方向が逆です。仕組みの全体像はホワイトニングの仕組みで整理しています。
歯の表面を削らずに済むため、被せ物にするより歯を残せるという利点があります。
料金体系には2種類ある
ここが本題です。同じ処置でも、料金の示し方が2通りあります。
| 体系 | 数えるもの | 目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 回数制 | 薬剤を交換した回数 | 1回 2,000〜5,000円程度 | 少ない回数で終われば安く済む |
| 一式制 | 歯1本あたりの処置全体 | 1歯 10,000〜30,000円程度 | 回数が増えても総額は変わらない |
回数制:1回の交換ごとに課金
来院して薬剤を交換するたびに費用が発生する方式です。
1回あたりの金額は小さく見えますが、必要な回数を掛け算する必要があります。2回で終われば安く済みますが、変色が強くて5回かかれば、そのぶん積み上がります。
一式制:1歯あたりの総額
処置全体をまとめて提示する方式です。回数が増えても金額は据え置かれることが多く、総額が読みやすいという利点があります。
ただし、何回までが含まれるのか、超えた場合はどうなるのかは医院によって扱いが異なります。ここは確認しておく価値があります。
単価だけを比べても意味がない
冒頭で触れた「1回2,200円」と「1歯27,500円」は、数えているものが違います。前者は交換1回、後者は処置全体です。
比べるなら、回数制のほうを「単価 × 想定回数」に直してから並べてください。 1回3,000円で4回なら12,000円です。この形にして初めて、一式制の金額と同じ土俵に乗ります。
費用に関する注記(自由診療について)
ウォーキングブリーチを含むホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。治療内容は歯の内部に漂白剤を作用させて色調を改善するもので、費用は歯科医院によって異なります。本記事の金額はすべて一般的な相場であり、特定の医院の料金ではありません。主なリスク・副作用として、期待した明るさに届かない場合があること、時間の経過にともなう色調の後戻り、歯質が脆くなる可能性が指摘されていること、まれに歯根の吸収が報告されていることが挙げられます。根の中の状態によっては受けられない場合があります。効果の感じ方や必要な回数には個人差があります。
自分の歯がこの処置の対象になるかどうかは、状態を見てもらうと分かります。
表示価格に含まれないことがあるもの
もうひとつ、総額を押し上げる要因があります。
事前の根管治療
この処置は、根の中が適切に処置されていることが前提になります。
根の詰め物が不十分だったり、根の先に病気が残っていたりする場合、先にその治療をやり直す必要があります。 これは別の処置なので、費用も別に発生します。
なお、根の治療そのものは保険の対象になり得ます。制度の考え方はホワイトニングに保険は使える?にまとめています。
レントゲン・診査
処置の前に、根の状態を確認するためのレントゲン撮影が行われます。
診査の扱いは医院によって異なり、初診料や検査料が別立てになっていることもあります。
最後の詰め物
処置が終わったあと、開けた穴を最終的に塞ぎます。この費用が表示価格に含まれているかどうかは、医院によって分かれます。
前歯の目立つ位置であれば、色を合わせた材料が使われます。材料によって保険と自費が分かれるため、ここも確認しておきたい項目です。
総額を見積もる
ここまでを踏まえて、全体像を組み立てます。
回数の目安は2〜4回
変色の程度によりますが、薬剤の交換を2〜4回程度繰り返すのが一般的な目安です。色が濃い場合は、これより増えます。
初回の診察で「何回くらいかかりそうか」を聞いておくと、見通しが立ちます。
期間は1〜2ヶ月
1〜2週間ごとに交換するため、全体で1〜2ヶ月ほどかかります。
期日がある場合は、この期間に事前の治療と最後の詰め物を加えて逆算してください。
レンジで押さえる
施術だけで見れば、10,000〜30,000円程度が一般的な範囲です。そこに、事前の治療が必要かどうか、最後の詰め物をどうするかで上下します。
単一の金額ではなく、幅で押さえておくほうが実態に近くなります。
効果が不十分だった場合の費用
見積もりでもうひとつ考えておきたいのが、うまくいかなかったときです。
後戻りしたときの再処置
この処置で得られた白さは永久ではありません。数年単位で、再び色が戻ってきます。
そのときにもう一度受けるなら、費用が再度かかります。一度の支出で終わる処置とは限らない、という点は見込んでおいてください。
別の手段に切り替える場合
期待した明るさに届かない場合、被せ物やラミネートベニアといった別の手段が検討されます。
これらは歯を削る処置で、費用の桁も変わります。ウォーキングブリーチが数万円の範囲であるのに対し、被せ物は材料によってはそれ以上になります。
「ここまで」を先に決めておく
だから、始める前に決めておきたいことがあります。どこまでやって届かなければ、別の手段に切り替えるのかという線です。
回数制の場合、「もう1回やれば」と続けるうちに、当初の見込みを超えていきます。「4回で判断する」と決めておけば、上限が定まります。
この考え方は、費用を抑えるうえで効きます。総額を管理する方法はホワイトニングを安く抑えるにはでも整理しています。
見積もりで確認する5項目
初回の相談で、次の5つを聞いておくと総額が読めます。
- 料金は回数制か、一式制か
- 一式制の場合、何回までが含まれるか。超えた場合はどうなるか
- 事前に根の治療が必要か。必要ならその費用
- 最後の詰め物の費用は含まれるか
- 何回くらいで、どの程度の明るさが見込めるか
最後の項目は、答えが確定的でなくても構いません。見通しを言葉にしてもらうこと自体に意味があります。
自分の歯で何が必要になるかは、診てもらうと具体的になります。
よくある質問
保険は使えますか
ウォーキングブリーチは自由診療で、保険は適用されません。ただし、事前に必要となる根の治療は保険の対象になり得ます。この2つは分けて考えてください。
何本もある場合は本数分かかりますか
1本ごとの処置なので、対象が複数あれば本数分の費用がかかります。ただし、来院の回数はまとめられることが多く、期間が本数分に延びるわけではありません。
途中でやめたらどうなりますか
薬剤を取り出し、開けた穴を塞いで終了します。それまでに得られた変化は残りますが、目標には届かない状態になります。回数制であれば、それまでの回数分の費用がかかります。一式制の場合の扱いは医院によって異なるため、事前に確認してください。
通常のホワイトニングと同時にできますか
組み合わせることはあります。1本だけを内側から明るくしても、周りの歯との差が残る場合、周囲の歯に通常のホワイトニングを行って全体を揃えるという考え方です。ただし進める順番や時期は状態によるため、担当の歯科医師と相談してください。
まとめ
ウォーキングブリーチは、神経を失って変色した歯に対して、歯の内側から漂白剤を作用させる処置です。1本単位で行え、歯の表面を削らずに済みます。
費用を調べたときに金額が大きく食い違って見えるのは、料金体系が2種類あるためです。薬剤の交換1回ごとに課金する回数制と、1歯あたりの総額で示す一式制があります。比べるときは、回数制のほうを「単価 × 想定回数」に直してください。
表示価格に含まれないことがあるのは、事前の根の治療、レントゲンや診査、そして最後の詰め物です。とくに根の治療が必要かどうかで総額は変わります。
そして、始める前に「ここまでやって届かなければ切り替える」という線を決めておいてください。回数制では、続けるうちに見込みを超えがちです。 上限を先に決めておくことが、総額を管理するもっとも確実な方法です。
東京銀座有楽町矯正歯科のホワイトニング
通院の負担を抑えたい方に向けて、オンライン診療と自宅でのケアで進めるホワイトニングをご用意しています。3Dスキャンで採得した歯型からオーダーメイドのマウスピースを作成し、歯科医師の診断のもとでホワイトニング剤と知覚過敏抑制剤をお届けします。
- 診察はオンラインで完結。マウスピースをお持ちの方は来院いただく必要がありません
- 歯型に合わせたオーダーメイドのマウスピースで、薬剤を歯の隅々まで行き渡らせます
- しみる症状に備えた知覚過敏抑制剤を同梱。経過はLINEでご相談いただけます
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります



