マウスピース矯正ができない例とは?対応外となる症例と判断ポイントを解説

マウスピース矯正に興味があるものの、対応できない歯並びもあると聞いて不安を抱えていませんか。

本記事では、マウスピース矯正ができない症例や向いていない人の特徴、自身に適しているか判断するためのポイントをわかりやすく解説します。加えて、マウスピース矯正が難しい場合の代替治療も紹介。

「マウスピース矯正ができない例を知りたい」「マウスピース矯正が自身に適しているかどうか知りたい」という方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。

目次
Oh my teeth
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マウスピース矯正ができない症例とは?

マウスピース矯正は多くの歯並びに対応できますが、すべての症例に適しているわけではありません。以下のような条件に当てはまる場合は、マウスピース矯正ができない、もしくは他の治療法との併用が必要になることがあります。

  • 歯を7mm以上移動させる必要がある
  • 骨格の問題で上下のあごに大きなズレがある
  • 奥歯の噛み合わせに大きな異常がある
  • 歯根の向きや歯の形に特殊性がある
  • 重度の歯周病に罹っている
  • 多数のインプラントが入っている

続いて、重度の出っ歯・受け口・開咬など、マウスピース矯正が難しい具体的な症例を取り上げながら、その理由や治療上の注意点を詳しく解説していきます。「自分が当てはまるかもしれない」と感じた方は、ぜひチェックしてみてください。

重度の出っ歯(上顎前突)

マウスピース矯正では、歯を少しずつ後ろに動かして歯並びを整えますが、前歯が7mm以上前に出ているような重度の出っ歯の場合、歯を後ろに下げる距離が大きすぎて、マウスピース単独での対応が難しくなることがあります

特に、あごの骨自体が前に出ているタイプ(骨格性の出っ歯)の場合は、歯の位置だけを整えても根本的な改善にはなりません。

一方、歯並びの傾きや位置だけが原因で、かつ軽度〜中等度の出っ歯(歯性)の場合は、マウスピース矯正で改善できることもあります。この場合は、以下のような方法を組み合わせて治療します。

  • 歯と歯の間を少しだけ削ってスペースを作る「IPR(アイピーアール)」
  • 歯を動かしやすくするための小さな突起「アタッチメント」

自分の出っ歯がどのタイプに当てはまるかは、専門的な診断を受けないと判断が難しいため、早めの相談が大切です。

重度の受け口(下顎前突)

あごが前に出ている「受け口」の中でも、重度のケースはマウスピース矯正では対応が難しいことがあります

受け口とは、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態を指します。歯並びだけでなく、下あごの骨自体が前に出ているタイプ(骨格性の受け口)では、歯だけを動かすマウスピース矯正では十分な改善ができません。

一方で、歯の傾きが原因で受け口のように見えている軽度のケース(歯性)であれば、マウスピース矯正で改善できることもあります。

ただし、以下のような条件が重なると、マウスピース矯正だけでは十分な対応が難しくなります。

  • 上下の前歯の重なりが非常に浅い
  • 奥歯の噛み合わせにズレがある

受け口の改善は、見た目だけでなく噛み合わせや発音にも関わるため、早めの診断と適切な治療法の選択が大切です。

開咬

開咬もマウスピース矯正ができない症例の一つです。開咬とは、奥歯を噛み合わせても前歯に隙間ができる状態を指します。

軽度の開咬の場合、アタッチメントやゴムかけを併用することで改善する場合もありますが、重度の開咬では外科矯正治療が必要になることが多いです。

また、開咬は舌で前歯を押す「舌癖(ぜつへき)」や日常的な口呼吸、指しゃぶりなどの幼少期の癖の影響が原因となることが多く、これらの癖を改善しないと、矯正をしてもすぐに歯が元の状態に戻ってしまうリスクがあります。そのため、開咬の治療では、矯正治療と並行して舌の正しい位置を覚える訓練や、口呼吸の改善も重要な要素となります。

重度の叢生

叢生(そうせい)とは、歯がデコボコに重なり合って生えている状態、いわゆる「ガタガタの歯並び」のことを指します。

この中でも、歯をきれいに並べるために必要なスペースが7mm以上あるような重度の叢生は、マウスピース矯正では対応が難しくなることがあります

一方で、軽度〜中等度の叢生であれば、IPRやアタッチメントなどを組み合わせることによって、マウスピース矯正でも十分な効果が期待できます。

骨格性の不正咬合

骨格性の不正咬合とは、上下のあごの大きさや位置のバランスに問題があることで、歯並びや噛み合わせにズレが生じている状態です。

マウスピース矯正はあくまで「歯の位置を少しずつ動かす」治療法です。そのため、あごの骨自体の位置に問題がある場合は根本的な改善が期待できません。たとえば、以下のようなケースが該当します。

  • 上下のあごのサイズが大きく異なる(上下顎のアンバランス)
  • あごの関節や位置にずれがある
  • 噛み合わせが大きくずれているが、歯の並びは比較的整っている

ただし、骨格の問題が軽度な場合や、歯の移動だけでも見た目や噛み合わせに改善が期待できる場合は、マウスピース矯正が選択肢となることもあります

マウスピース矯正に向いていない人の特徴

マウスピース矯正ができる歯並びであっても、性格や生活習慣によってはマウスピース矯正が向いていない場合もあります。続いて、マウスピース矯正が向いていない人の特徴を紹介します。ぜひ自身に当てはまる項目がないか確認してみてください。

装着時間が守れない

マウスピースの装着時間が守れない人は、矯正で失敗しやすい傾向があります。

マウスピース矯正は目立ちにくく、取り外せるというメリットがある一方で、1日20〜22時間の装着を自分で管理しなければならないという特徴があります。そのため、装着時間が守れなければ、歯が予定通りに動かず、治療が長引いたり、効果が出にくくなったりします。

紛失や破損が多い

マウスピースをよく失くす人や壊しやすい人は、治療の進行に支障が出る可能性があります。

取り外しができるという特性上、マウスピースはどうしても紛失や破損のリスクが伴います。再作製には時間と費用がかかるため、破損・紛失した場合は治療が一時ストップすることも

特に「カバンに入れっぱなしで変形してしまった」「ペットに噛まれて使えなくなった」などの事例はよくあるため、管理が苦手な方は注意が必要です。

咄嗟の変化に対応できない

マウスピース矯正では、治療中に計画変更が必要になったり、追加のマウスピースが必要になったりすることもあります。このような変化が起こった場合、咄嗟に対応できないと、不満やストレスを感じやすくなり、治療の継続が難しくなることがあります。

そのため、「契約内容の変更や追加費用が発生する可能性はあるか」といった点を事前に確認しておくことが重要です。

マウスピース矯正ができる歯並びか判断するためのポイントは?

マウスピース矯正ができるかどうかは、ある程度は自分でも判断できます。ポイントは「歯並びの乱れ方」「噛み合わせ」「歯や歯茎の健康状態」「生活習慣」の4つです。ここでは、クリニックに行く前に確認できる目安を紹介します。

歯の重なりが軽度〜中度であるか

歯が軽く重なっている程度であれば、マウスピース矯正で改善できる可能性が高いです。

鏡を見たときに「歯が数本だけ重なっている」「少しねじれている」程度であれば、マウスピースで歯を並べるためのスペースを作りながら調整できます。

一方で、歯が何本も重なってデコボコしている場合や、奥歯の位置までずれている場合は、マウスピースでは動かせる範囲を超えている可能性があります。

噛み合わせが上下でズレていないか

奥歯を噛んだときに、上下の前歯が自然に重なっていれば問題ありません

もし、奥歯で噛んでも前歯が浮いていたり(開咬)、下の歯が上の歯よりも前に出ていたり(受け口)する場合は、骨格や舌の動きが影響している可能性があり、マウスピース単独では対応が難しくなります。

歯や歯茎の健康状態が良好であるか

マウスピース矯正は、歯や歯茎が健康であることが前提で行う治療です。

歯茎が腫れていたり、歯がぐらついたりしている場合は、矯正によって状態が悪化するおそれがあります。日頃から歯磨きや定期検診を欠かさず行い、虫歯や歯周病のない状態を保っている方は治療に向いているといえるでしょう。

装着を毎日続けられる生活習慣か

1日20時間以上マウスピースを装着できる人は、治療を成功させやすいです

食事や歯磨き以外はほぼ装着し続けなければならないため、外出が多い方や不規則な生活をしている方は継続が難しく感じることがあります。


これらのチェックポイントはあくまでも目安であり、実際にマウスピース矯正ができるかどうかは歯科クリニックでの診断が必要です。当院では、マウスピース矯正ができるかどうか判断するための精密検査を無料で行っています。

「自身の歯はどのぐらい動かす必要があるのか」「マウスピース矯正で対応できる歯並びなのか」知りたい方は、ぜひお気軽に無料診断へお越しください。

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マウスピース矯正ができないときの選択肢は?

マウスピース矯正が適応外の場合でも、症例に応じた最適な治療法を選択することで歯並びの改善は可能です。ここでは、マウスピース矯正ができないと診断された場合の選択肢をご紹介します。

ワイヤー矯正(表側・裏側・ハーフリンガル)

歯を大きく動かす必要がある場合は、ワイヤー矯正が最も確実な選択肢です。

ワイヤー矯正とは歯にブラケットを取り付け、ワイヤーの力で少しずつ歯を動かす方法で、マウスピース矯正では対応しきれない大きな歯列のズレや噛み合わせの異常にも対応できます。ワイヤー矯正の方法は大きく以下の3つに分かれます。

  • 表側矯正:最も一般的で、治療効果が高い。
  • 裏側矯正(リンガル矯正):見た目を気にせず治療可能。
  • ハーフリンガル:上は裏側、下は表側に装着するバランスタイプ。

ワイヤー矯正は治療期間が長く費用も高めですが、確実性と精度を重視する方に向いています。

外科矯正

外科矯正は、顎変形症と診断された場合に適応となる治療法で、歯科矯正治療と口腔外科手術を組み合わせて行います。骨格的な問題が著しい場合に選択される治療法です。

上下のあごの大きさや位置に大きな問題がある場合、歯の移動だけでは根本的な改善が困難です。このような場合、外科手術により骨格を調整し、その後に矯正治療で歯並びを整えます。

外科矯正治療は健康保険が適用されるため、自己負担額を抑えられるメリットがあります。ただし、入院や手術を伴うため、十分なリスク理解が必要です。

その他の矯正方法(部分矯正・補綴治療など)

前歯だけを整えたい場合や、見た目を短期間で改善したい場合は、部分矯正や補綴治療も選択肢になります。

  • 部分矯正:前歯など限られた範囲のみを動かす方法。短期間・低コスト。
  • 補綴治療(セラミッククラウンなど):歯の形を整えて見た目を改善する方法。

これらは、「全体の噛み合わせを直したい」というよりも、前歯の見た目を整えたい方に適した治療法です。

マウスピース矯正ができる歯並びか、まずは無料診断でチェックしよう

マウスピース矯正は、見た目も自然で生活に取り入れやすい治療法ですが、すべての人に適しているわけではありません。歯の移動距離や骨格の状態、そして生活習慣によって、向いている人・向いていない人が分かれます。

歯並びの見た目や噛み合わせなどから、ある程度は自分でも判断できますが、最終的な適応の判断は歯科医による精密な診断が欠かせません。

自分の歯並びがマウスピース矯正に適しているかを知る最短ルートは、歯科クリニックでの診断を受けることです。当院ではマウスピース矯正ができるか診断するための精密検査を無料で実施しています。自身の歯並びがマウスピース矯正に適合するかどうか知りたいという方は、ぜひこのようなサービスも活用してみてください。

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