「もしかして私、口ゴボかも?」
「歯並びは悪くないのに、なんで口元だけ出てるの?」
このような疑問はありませんか?
口ゴボとは、横から顔を見たときに口元が前に突き出て見える状態。
原因は歯の傾きだけでなく、あごの骨格や口呼吸などの癖が関係していることもあり、ご自身でのマッサージやトレーニングで治すことは困難です。
そこで本記事では、Eラインを使った簡単なセルフチェック法から、口ゴボになる4つの原因、マウスピース矯正・ワイヤー矯正・外科矯正といった治療法の特徴や費用・期間まで解説します。
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鏡で簡単!口ゴボ度をセルフチェックしてみよう

口ゴボとは、横から顔を見たときに口元が前に突き出て見える状態です。ご自身では「口元がもっこりしている」「唇が厚く見える」と感じている方もいらっしゃるでしょう。
口ゴボは、Eライン(鼻の先端とあごの先を直線で結んだライン)を用いることで簡易的にチェックできます。ご自宅で簡単に試せますので、ぜひ鏡の前で実践してみてください。
- 人差し指、もしくは定規のような真っ直ぐなものを用意します。
- 鼻先とあごの先端を、用意した指や定規でそっと結びます。
- このとき、唇が指や定規にどう触れるかを確認します。
理想的なEラインは、上下の唇が、指に軽く触れるか、少し内側にある状態ですもし唇が指を強く押してしまうようであれば、口ゴボの傾向があるかもしれません。
ただ、Eラインは骨格や鼻の高さによっても変わります。以下の項目も合わせてチェックしてみましょう。
- 口を閉じると顎に「梅干しジワ」ができる
- 意識しないと口がポカンと開いてしまう
- 笑った時に歯茎が大きく見える(ガミースマイル)
正確な診断は歯科クリニックでしかできませんが、「自分の悩みの正体はこれだったのかも」と気づくだけでも、心が少し軽くなりますよね。
歯並びは悪くないのに…という人も必見!口ゴボになる4つの原因

「歯並びは良いはずなのに、なぜか口元だけが出ている」と感じている方も少なくありません。口ゴボの原因は一つではなく、さまざまな要因が絡み合っていることがほとんどです。ここでは、代表的な4つの原因を解説します。
原因①:骨格の問題(上下顎前突など)
口ゴボの根本的な原因として多いのが、あごの骨格そのものの問題です。これは、歯だけでなく、上下のあごの骨が顔の他の部分に比べて前に突き出している状態を指します。
骨格性の口ゴボは、遺伝が関わっていると考えられています。例えば、両親に同じような口元の方がいる場合、引き継がれることがあります。
歯並び自体は綺麗に並んでいても、土台であるあごの骨が前に出ているため、口元全体がもっこりと突出して見えてしまうのです。
原因②:歯の傾きの問題(出っ歯など)
あごの骨の位置には問題がなくても、歯の生えている角度が原因で口ゴボに見えることもあります。いわゆる出っ歯がその代表例です。
歯が前傾していると、そのぶん唇が前に押し出され、口元が突出して見えてしまいます。正面から見ると一見歯並びが整っているように見えても、横から見ると歯が斜めになっているという方は、歯の傾きによる口ゴボの可能性が高いでしょう。
原因③:口周りの癖や習慣(口呼吸・舌の癖など)
子どもの頃からの何気ない癖が、現在の口ゴボを作り上げている可能性もあります。例えば、以下のような癖に心当たりはありませんか?
- 口呼吸
- 幼少期の長期間にわたる指しゃぶり
- 舌で前歯を押す癖
弱い力であっても歯やあごに加わり続けると、その影響を受けて少しずつ形を変えてしまいます。
原因④:唇など軟組織の問題
骨格や歯並びに大きな問題が見られないにもかかわらず、口元が突出して見えるケースもあります。それは、唇の厚みなど、軟組織のバランスによるものです。
骨格や歯並びに対して唇が厚いと、相対的に口元が前に出ているように感じられることがあります。これは病的なものではなく、あくまで個性やチャームポイントの一つです。
前歯が大きく見える原因やガミースマイルについて詳しく知りたい方は「前歯が大きい原因は?日本人の平均サイズと目立たなくする方法を解説」をご参照ください。
口ゴボは舌トレーニングやマッサージで改善できない

インターネットやSNSを検索すると、「口ゴボが治る舌トレーニング」や「口元を引っ込めるマッサージ」といった情報が数多く見つかるかもしれません。
しかし、舌トレーニングやマッサージといった自力ケアで、口ゴボを根本的に治すことは極めて困難であり、危険を伴う可能性があります。
その理由は、口ゴボの主な原因が「骨」と「歯の位置」にあるからです。筋肉を動かすトレーニングや、皮膚の上からのマッサージでは、硬い骨の形を変えたり、歯を歯槽骨(しそうこつ)の中で安全に移動させたりすることは物理的に不可能です。
ネット上で見かける「口元を強く押す」「器具を使って歯を押し込もうとする」といった方法は、効果がないばかりか、歯や歯茎を傷つけたり、顎関節症を誘発したりする可能性があります。
口ゴボの改善が期待できる3つの治療方法

では、口ゴボを改善するためには、どのような治療法があるのでしょうか。ここでは、歯科クリニックで行われる代表的な3つの治療法を、それぞれの特徴や費用・期間の目安とあわせてご紹介します。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明なプラスチック製のマウスピースを定期的に交換していくことで、少しずつ歯を動かす治療法です。装置が目立たないことと、食事や歯磨きの際に自分で取り外せるのがメリットです。
歯の傾きが原因の軽度〜中等度の口ゴボに適しています。費用の目安は約60万円~100万円程度、期間は約1~3年が目安です。
ただし、1日20時間以上の装着が必要な点と、抜歯が必要なケースには不向きな場合があります。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯の表面(または裏側)に「ブラケット」という小さな装置を取り付け、そこにワイヤーを通して力をかけ、歯を動かしていく治療法です。歯を動かす力が強く、幅広い症例に対応できるのが特徴です。
口元を大きく下げるために健康な小臼歯などを抜歯(抜歯矯正)する場合、このワイヤー矯正が選択されることがほとんどです。抜歯が必要なケースや重度の歯性の口ゴボ、骨格性の口ゴボの一部に対応します。
費用の目安は約70万円~170万円程度(表側か裏側かで変動)、期間は約1年半~3年が目安です。
表側矯正の場合、装置が目立つのと痛みや口内炎が出やすい、食事や歯磨きに工夫が必要といった点には注意が必要です。
外科矯正
あごの骨格そのものに原因がある重度の口ゴボの場合、歯を動かすだけの矯正治療では十分な改善が見込めないことがあります。そのようなケースで適用されるのが、外科手術と歯列矯正を組み合わせた「外科矯正」です。
まず手術前に歯列矯正を行い(術前矯正)、その後、大学病院などであごの骨を切って移動させる手術(セットバック手術、ルフォーI型骨切り術など)を行います。手術後、噛み合わせを整えるための矯正(術後矯正)を行って治療が完了します。
大掛かりな治療にはなりますが、口元の見た目だけでなく、顔全体のバランスが改善される可能性が高いです。
また、「顎変形症(がくへんけいしょう)」という診断がつけば、健康保険の適用対象となる場合があります。その場合の目安の費用は約50万円~80万円です。自費治療の場合は、約150万円以上になります。治療期間は、約2~4年と長期にわたります。
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口ゴボの改善は信頼できる矯正歯科に相談を

口ゴボを改善するためには、信頼できる歯科クリニックに受診することが重要です。しかし、数多くの歯科クリニックの中からどこを選べば良いか、迷ってしまいますよね。ここでは、後悔しないクリニック選びのポイントを3つ紹介します。
- ポイント①:日本矯正歯科学会の認定医・専門医が在籍しているか
- ポイント②:精密検査(セファロ分析など)の設備が整っているか
- ポイント③:カウンセリングで親身に話を聞き、複数の選択肢を提示してくれるか
矯正治療は専門性の高い分野です。そのため、矯正治療に関する知識と豊富な臨床経験を持つ歯科医師を選ぶことが重要になります。その客観的な指標の一つが、日本矯正歯科学会などが認定する「認定医」や「専門医」といった資格です。
技術や設備と同じくらい大切なのが、歯科医師とのコミュニケーションです。あなたの悩みや「こうなりたい」という希望に真摯に耳を傾け、対話を重ねてくれるかどうかを見極めましょう。
当院の無料カウンセリングでは、まずあなたのお悩みやご希望をじっくりお伺いします。その上で、考えられる治療法や大まかな費用・期間についてご説明いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
口ゴボに関するよくある質問Q&A

最後に、口ゴボ治療を検討する際によく寄せられる質問にお答えします。
Q1.矯正治療は痛いですか?
A1.残念ながら、全く痛くないわけではありません。
特に、ワイヤー矯正で装置を調整した後の2〜3日は、歯が浮くような、噛むと痛いといった感覚が出ることが多いです。ほとんどの場合、痛み止めを飲んだり、柔らかい食事を摂ったりすることで乗り越えられます。
Q2.30代からでも口ゴボは治せますか?
A2.はい、もちろん治せます。矯正治療に年齢制限はありません。実際に、30代、40代、あるいはそれ以上の年齢で治療を始め、コンプレックスを解消されている方はたくさんいらっしゃいます。
大人になってから矯正治療を始めることに不安がある方は「歯列矯正はやめたほうがいい?大人の矯正の向き・不向きや開始前のチェックポイントを解説」をご確認ください。
Q3.治療のために歯を抜く必要はありますか?
A3.ケースバイケースですが、口元を大きく引っ込めるためには、抜歯が必要になることが多いです。
前に出ている歯を後ろに下げるためのスペースを確保するため、多くは前から4番目または5番目の「小臼歯」という歯を抜くことになります。
もちろん、抜歯をせずに治療できる軽度のケースもありますので、まずは精密検査を受けて診断してもらうことが大切です。
まとめ
口ゴボは、歯の傾きやあごの骨格が原因で起こるため、マッサージやトレーニングといった自力ケアで治すことは困難です。
口ゴボの治療は、マウスピース矯正、ワイヤー矯正、外科矯正など、原因に応じた選択肢があります。
費用や期間、抜歯の必要性など不安な点もあるかもしれませんが、30代、40代からでも治療を始め、コンプレックスを解消されている方は多くいらっしゃいます。
当院では、無料でカウンセリングを行っています。「話を聞くだけ」でも構いません。あなたの口元の状態をプロの目で見てもらい、どんな可能性があるのかを知ってみませんか?


